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寝室女官事件()とは、1839年5月にイギリス女王ヴィクトリアと組閣の大命を受けた保守党党首サー・ロバート・ピール準男爵の間で発生した寝室女官の人事をめぐる対立である。これによりピールは大命を拝辞し、ホイッグ党の首相メルバーン子爵ウィリアム・ラムが政権を維持することになった。イギリスの国制(議会政治・政党政治)を危機に陥れた事件とされる。 == 背景 == 1837年6月に18歳のヴィクトリア女王が即位した。当時はホイッグ党政権期であり、首相はホイッグ党首第2代メルバーン子爵ウィリアム・ラムだったが、若く経験の乏しい女王はこのメルバーン卿に様々な問題で相談にのってもらい、彼を深く信頼するようになった〔ワイントラウブ(1993) 上巻 p.170〕。 この当時はホイッグ党政権と野党保守党の間には「ヴィクトリア朝の妥協(Victorian compromise)」と呼ばれる協力関係が構築されていた。これはメルバーン卿がホイッグ党内の革新勢力が求める左翼的政策を抑えることを条件に保守党が彼の政権を支持するというものである。保守党党首サー・ロバート・ピール準男爵は、いまだ自党を掌握できていなかったため、ただちに自分が政権掌握するのは困難とみてこの妥協に甘んじた。当時の慣例であった新女王の即位に伴うでやオコンネル派(アイルランド独立派)、ダービー派が議席を減らし、ホイッグ党と保守党が議席を伸ばした(ホイッグ218議席→269議席、保守党204議席→249議席、ダービー派90議席→60議席、急進派とオコンネル派150議席→80議席)こともこの妥協関係を促進することになった(〔君塚(1999) p.63/65-66〕。 だが、1839年までにはピールが保守党内で党首としての権威を確立し、またダービー派が保守党に合流したことで保守党の議席は300議席近くになったため、いよいよピールはメルバーン子爵内閣倒閣を目指すようになった。保守党から妥協を引き出しにくくなったメルバーン子爵政権は急進派やオコンネル派との接近を図らざるを得なくなったが、これまで自分たちの主張を押さえこまれてきた経緯から両派が簡単に同政権を信頼するはずがなく、1839年春には政権は危機的状況に陥った〔君塚(1999) p.66-67〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「寝室女官事件」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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