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斫り(はつり。)は、主に建設現場でコンクリートで作られた壁や土間などの構造物を壊したり、形を整えるために表面を鑿で削ったりすること。人力によって行われる規模の作業を表すことが多く、重機械によって建物そのものを取り壊す場合はコンクリート造であっても斫りとは呼ばず、解体工事に分類される。 == 概要 == もともと「斫」(シャク)という漢字は、『説文解字』に「撃也。从斤石聲」とあるように、斧で叩き切るさまを表し、部首は「斤」で、「石」は音符である。 一般に「はつり」という言葉で「表面をけずりとること」を表す場合、加工対象の材質を問わず漢字表記は「削(はつ)り」が正式であるが、建設業界を中心に「斫」という漢字をあてた「斫(はつ)り」が定着した。この経緯について、「斫る」は本来訓読みでは「きる」としか読まないことや、石という偏が使われているためか、石や岩を楔とハンマー(げんのう)を用いて割る「石をきる」作業が連想され、これに由来して「斫(はつ)り」と表記するようになったとの推考もあるが、「斫」という漢字の意符が「斤」にあり、石斧による斬撃を意味する点や、石材加工においても「はつり」とは表面処理的な除去行為を表すなど、作業のニュアンス・規模が異なる「石切り」との関連付けはいささか不自然である。 一方で、コンクリートのはつり工事を扱う企業・職方においては、手書きの際には「石」を偏に、旁は「斥」の組み合わせで「䂨」と記すことが古くからの通例であり、「斫」という漢字はあくまでウェブ上の表記や印字用の似て非なる代用字として使用されてきた経緯がある。〔1950年出版の土木工事步掛單價表にも「岩石切取人夫步掛」と区別し「岩石ヨリ割石䂨出步掛」との記述がある〕 これは、全国各地に存在するはつり業共通の認識であることから、単なる書き違えとは考え難く、「石(のように硬いもの)を斥ける」という意味を表した完全な作字であった可能性が高い。〔「䂨」は漢文としては存在した。江湖尺牘分韻撮要合集によると「䂨 裂也」とある〕 こうして石やコンクリートのはつりに「䂨り」転じて「斫り」をあてた表記が石材・建設業界に次第に定着し、時代とともに一般にも広く知られるようになった。ただし、定着したとはいえ、正式には誤用とされる「斫(はつ)り」が漢和辞典等に収録されている例は稀である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「斫り」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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