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機動戦(きどうせん Maneuver warfare)は、火力ではなく主に機動により遂行される戦闘の形態である。 一般に攻撃力は、自らの移動能力と敵への物理的加害力の合算、または乗算だと考えられており、機動戦は移動能力の発揮を主眼においた戦闘であるといえる〔。 また、機動の速度のみならず、意思決定の速度においても敵に優越することで、敵に不利な態勢を強要して主導性を獲得するという戦術については、とくに機略戦(Maneuver warfare)と称される〔。 == 概要 == 機動が戦闘においておよぼす効果には、彼我の戦力の相対的位置に与える物質的な効果と、特定の行動を誘導する心理的な効果の二つの側面がある。まず、機動を通じて戦力を相手の弱点である後方連絡線へと差し向けることができれば、敵を包囲または孤立させることが可能となる。クラウゼヴィッツは、内線および外線作戦に関する研究の中で、外線で行動する部隊は相手に対して諸方面から同時に攻撃し、かつ敵の退路を遮断することが可能となると論じている。次に機動によって相手の指揮官が自らにとって側面や後方の安全を確保するよう誘導することも可能である。リデル・ハートは、作戦を成功させるためには機動の心的側面において奇襲を成功させることが不可欠であると主張しており、そのためには牽制によって相手の注意と戦力を別方面に分散させて攪乱した後に攻撃を行う間接アプローチの方法を推奨している。さらに、近代の機動戦の理論では機動の時間的な効果が含まれている。ドイツ軍で開発された訓令戦術(Auftragstaktik)、機械化戦闘、そして、電撃戦(Blitzkrieg)の教義は、相手の機動を圧倒する機動力を以って戦いの主導権を獲得する可能性をもたらした。後にイギリスやアメリカでもボイドなどの研究者によって機動戦の研究が進み、現在ではアメリカ海兵隊公式の戦闘教義として位置づけられており、アメリカ陸軍の野戦教範にも反映されている。 機動戦が実際に行われた古典的な戦闘としてしばしば参照される最古の戦史は、紀元前490年のマラトンの戦いであり、この戦闘でギリシア軍がペルシア軍の左右両翼に対する包囲機動を成功させて決定的な勝利を収めた。火器が開発されてからの戦史の中ではロイテンの戦いの例がある。この戦闘ではオーストリア軍に対してプロイセン軍が地形を利用しながら相手の左翼に展開することでオーストリア軍に全面的な陣形転換と退却を強要することができた。ナポレオン時代においては機動は戦闘で重要な地位を占めており、ウルムの戦いではフランス軍が迅速にオーストリア軍の背後に展開したことがその後のフランスの勝利をもたらした。第二次世界大戦においてドイツがポーランド侵攻で電撃戦を実践したことは、機械化部隊の高度な戦闘効率を実証するものであった。そしてこの戦争中に電波航法が実用化された。戦後の冷戦期においては朝鮮戦争の研究を通じて航空機の有効性が明確になった。獲得した航空優勢を機動戦に活用することとはエア・ランドと呼ばれる戦闘教義として確立され、同時により迅速な判断が求められる機動戦に適用できる意思決定サイクルが整理される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「機動戦」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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