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気動車・ディーゼル機関車の動力伝達方式(きどうしゃ・ディーゼルきかんしゃのどうりょくでんたつほうしき)では、気動車やディーゼル機関車の動力伝達方式について述べる。 内燃機関は、トルクの出方が山なりで、出力(馬力)は回転数に比例して増大するという基本的な出力特性を持つ〔一般的には、排気量が大きくなるに従いトルク曲線は平らになって行く。〕。また、拘束状態からの起動は不可能であり、機関始動時には無負荷でなければならない。したがって内燃機関をこれらの車両に使用する場合には、電動機のように静止状態から直結発進することはできず、負荷を切り離す機構が必要となる。また、利用できる回転数が限られているため実用的な運転速度範囲を得るためには何らかの変速機構が必要となる。 近年、各種交通機関のエネルギー効率上昇に向けた取り組みが行われているが、現時点で内燃機関の熱効率の改善は限界に近付きつつあり、大幅な向上は見込めなくなってきている。一方、駆動系の伝達効率にはまだ向上の余地があり、世界各国で伝達効率の向上への取り組みが図られている。 鉄道車両用の動力伝達方式としては、一般に以下の3方式が存在する。 == 機械式 == クラッチと、手動の選択摺動式、または常時噛み合い( constant mesh/コンスタントメッシュ)式変速機(ギアボックス)を組み合わせた方式で、自動車でいう「マニュアルトランスミッション」と同様である。クラッチは非自動の摩擦クラッチが使われる場合が多いが電磁クラッチなどが使われる場合もあり、車輌によってはシンクロナイザーや流体継手を組み込んだものもある。 この方式の長所短所は、次のとおりである。 ;長所 : *構造が簡易で小型軽量である。 : *低コストである。 : *パワーロスがほとんどなく、動力伝達効率が95%以上と極めて高い。 : ;短所 : *運転操作に熟練を要する。 : *クラッチ板の押し付け力や、歯車の強度の面から大出力エンジンへの使用が困難。 : *そのままでは複数車両の変速機を遠隔操作できない(総括制御不能)〔日本国外においては、機械式でも電磁クラッチを利用した総括制御運転が行われているが、日本では採用例がない。〕ため、連結運転時は1両ごとに運転士を必要とし、合理化に逆行する。 日本では1953年以前の気動車、1950年代までの入換用・軽便鉄道用小型機関車のほとんどが該当したが、液体式が実用化されると廃れた。2010年現在、気動車では営業運転に用いられる例はないが〔日本での機械式変速機を搭載した営業用気動車としては、1997年に営業休止(2002年廃止)した南部縦貫鉄道のレールバスであるキハ101・102が最後。〕、ディーゼル機関車においては大井川鐵道のDB8・9が在籍しており、入換やまれに客車牽引にも使用されている。また石川県小松市には、旧・尾小屋鉄道の機械式変速機を持つディーゼル機関車DC121が動態保存されている〔以前は同地で動態保存されている気動車キハ1もオリジナルの機械式変速機を備えていたが、その後補修部品の入手難から液体式変速機に換装されている。〕。 保線用機械に属するモーターカーの一部でも機械式が使われている。 欧州では特に小型の気動車を中心に採用されており、例えばスイスでは、1937年には285PSのディーゼルエンジンに圧縮空気と電磁弁による遠隔制御式5段変速機、歯車式の2軸駆動台車を採用したRCm2/4形が製造されている。イギリスでは1970年代には一般型気動車の大半が総括制御機能を持つ機械式で占められていて付随車や制御車も組み込んだ編成で運転されていた。国鉄レールバス キハ10000・10200(キハ01~03)形の手本となった西ドイツのレールバスも総括制御機能のついた機械式で、機械式の総括制御機能を開発しなかった日本とは対照的である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「気動車・ディーゼル機関車の動力伝達方式」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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