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数学において、特に線型代数学において、有限次元内積空間 ''V'' の正規直交基底(せいきちょっこうきてい、)とは、正規直交系を成すような ''V'' の基底をいう。例えば、ユークリッド空間 R''n'' の標準基底は、ベクトルの点乗積を内積としての正規直交基底である。また、標準基底の回転や鏡映(一般に任意の直交変換)による像もまた正規直交基底であり、なおかつ R''n'' の任意の正規直交基底はこの方法で得られる。 一般の内積空間 ''V'' に対して、その正規直交基底は ''V'' 上の正規化された直交座標系を定めるのに利用できる。そのような座標系のもとでは内積をベクトルの点乗積と同一視することができるから、正規直交基底の存在については(一般の有限次元内積空間を調べるのではなくて)点乗積を伴う R''n'' の場合を調べれば十分である。従って任意の有限次元内積空間は正規直交基底を持つが、実際にこれを得るには任意の基底にグラム・シュミットの正規直交化法を用いればよい。 函数解析学では、正規直交基底の概念を一般の(必ずしも有限次元でない)内積空間(前ヒルベルト空間)に対しても定義することができる。前ヒルベルト空間 ''H'' が与えられたとき、''H'' の正規直交基底とは、''H'' の正規直交系であって、''H'' を位相的に生成するものをいう。即ち、''H'' の各ベクトルが、基底に属するベクトルの''無限''線型結合として一意に表される。この場合の正規直交基底を、''H'' のヒルベルト基底と呼ぶこともある。この意味での正規直交基底は、無限線型結合を用いることから、一般にはベクトル空間としての基底(ハメル基底)でないことに注意すべきである。よりはっきり述べれば、正規直交基底によって張られる部分空間(正規直交基底に属するベクトルの''有限''線型結合全体)は全空間 ''H'' において稠密ではあるが、全空間 ''H'' に一致するとは限らない。 == 例 == * ベクトルの集合 は R3 の正規直交基底を成す(標準基底)。実際、これら三つのベクトルの内積が零となること(<''e''1, ''e''2> = <''e''1, ''e''3> = <''e''2, ''e''3> = 0)および大きさが 1 に等しいこと(‖''e''1‖ = ‖''e''2‖ = ‖''e''3‖ = 1)は計算すれば直接的に分かるから は正規直交系である。R3 の各ベクトル (''x'', ''y'', ''z'') は線型和として表せるから、 は R3 全体を張り、基底を成す。またさらに、標準基底を原点を通る軸の周りで回転させたものや、原点を通る平面に関して反転させたものも R3 の正規直交基底となることが示せる。 * 指数函数 ''f''''n''(''x'') = exp(2π''inx'') を元とする集合 は自乗可積分函数の成す複素線型空間 L2() の基底になる。このことはフーリエ級数論において基本的である。 * 集合 を で定めると、これは自乗総和可能数列の成す空間 ℓ2(''B'') の基底を成す。 * スツルム・リウヴィル固有問題の固有函数全体 * 直交行列は、その各列ベクトルから成る集合が正規直交系を成す。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「正規直交基底」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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