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沼 正三(ぬま しょうぞう)は、日本の小説家である。主に、1956年から『奇譚クラブ』に連載された小説『家畜人ヤプー』により知られる。覆面作家として活動し、その正体には諸説ある。 これまでに沼正三の正体と見なされた人物は、三島由紀夫、奥野健男、武田泰淳、澁澤龍彦、会田雄次、倉田卓次、そして沼正三の代理人と称する天野哲夫である〔康芳夫『虚業家宣言 クレイをKOした毛沢東商法』双葉社、1974年、pp。87-88.〕。 ==沼の正体に関する諸議論== ===倉田卓次説=== 1982年に森下小太郎が『諸君!』11月号に元判事の倉田卓次が著者だとの記事を発表した。しかし倉田は、自伝的著作『続々裁判官の戦後史 老法曹の思い出話』(悠々社、2006年)で、自身が沼正三であることを完全に否定している。ただし、その中で、自身がヤプー連載当時の『奇譚クラブ』の愛読者であったこと、そして『奇譚クラブ』を通じて天野、森下と互いの該博な知識の共有を主目的とする文通を行っていたことは事実として認めており、ヤプーの創作過程における複数人の関与、殊に三島由紀夫の匿名による関与の可能性=『家畜人ヤプー』が複数人による共同作品である可能性を示唆した記述もある。 内藤三津子『薔薇十字社とその軌跡』(論創社、2013年)では、インタビュアーの小田光雄が沼正三の正体は倉田卓次であると断定。その根拠として「天野と沼の文章を比べると、その文章、語学力、教養などからして、二人がまったく別人であることは歴然」と、小田はいう〔内藤三津子『薔薇十字社とその軌跡』p.87(論創社、2013年)〕。また、『家畜人ヤプー』刊行の半年後に倉田が退官したのも、正体が露見したことによる衝撃が原因であり〔内藤三津子『薔薇十字社とその軌跡』p.93(論創社、2013年)〕、彼は『ある夢想家の手帖から』刊行後は天野に沼名義の著作権など一切を譲ってしまったのではないか、と推測している〔内藤三津子『薔薇十字社とその軌跡』p.95(論創社、2013年)〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「沼正三」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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