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『王道の狗』(おうどうのいぬ)は、安彦良和の漫画作品。『ミスターマガジン』1998年1号から2000年3号に掲載された。単行本は講談社ミスターマガジンKCより全6巻、白泉社ジェッツコミックス、中央公論新社より全4巻出版。明治時代中期から末期の日本、朝鮮、清を舞台に、秩父事件から日清戦争、辛亥革命までの東アジアの歴史と、それに翻弄された人々の運命を描いた。2000年に第4回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞。『虹色のトロツキー』、『天の血脈』と並ぶ安彦の「現代史三部作」の一つ。 == 概要 == 本作は「王道」を目指す主人公・加納周助と、「覇道」を推し進めようとする風間一太郎の相克を中心に、明治時代における日本の対外政策が描かれている。作者の安彦によれば、作品内の「王道」と「覇道」の対立という図式は、出版社からの「読者に分かりやすい話に」との依頼によるもので、王道の側に勝海舟を、覇道の側に陸奥宗光を配置する構想は自身のアイデアだが、加納と風間という相反する登場人物は編集者のアイデアによるものだという〔。 安彦自身は「王道」と「覇道」といった様に現実世界を単純化は出来ないし〔、それぞれの明確な境界線が存在するのかは分からないとしており〔、作品内の陸奥の描き方について「総理大臣を務めることが出来るほどのスケールが大きい人物。一方、許さざるべき巨悪かといえばそうとは限らず、その冷徹さには抗し難い魅力がある。そのため作品終盤では『情』の側に配した」と発言している。 また、主人公の加納が孫文の支援者となり中国の革命運動に関わっていく場面で作品が終了している〔ユリイカ 2007、139-140頁〕ことについて作者の安彦は、日本から革命に参加した政治運動家の山田良政のことが念頭にあり〔死を連想させるような終わらせ方にした〔、と語っている。このことについて安彦は、連載時に明言はしていなかったが〔、山田が生前に関わっていた東亜同文会の流れを汲む愛知大学の関係者の知る所となり、2006年に大学に招かれて講演を行うことになった〔。 掲載誌の『ミスターマガジン』が2000年1月で休刊されたため、作品終盤は急ぎ足の展開となったが〔、2004年から2005年に白泉社から出版された完全版では第31話と第47話が新たに書き下ろされるなど大幅な内容修正がされている〔ユリイカ 2007、205頁〕。完全版の各巻には鶴田謙二、森薫、平野耕太、久米田康治からの推薦文が寄せられた〔。劇中の時代は1889年から1900年に当たる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「王道の狗」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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