|
===================================== 〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。 ・ 腫 : [しゅ] 1. (n-suf) tumor 2. tumour ・ 腫瘍 : [しゅよう] 【名詞】 1. neoplasm 2. tumor 3. tumour ・ 溶解 : [ようかい] 1. (n,vs) solution ・ 溶解性 : [ようかいせい] (n) solubility ・ ウイルス : [ういるす] 【名詞】 1. virus 2. (n) virus
腫瘍溶解性ウイルス(しゅようようかいせいウイルス、)とは、癌細胞に感染してこれを細胞死させるウイルスの総称である。感染した癌細胞は融解し、感染性を持つ新たなウイルス粒子を放出して他の癌細胞に感染する。腫瘍溶解性ウイルスは腫瘍細胞を直接死に至らしめるのみならず、宿主の抗腫瘍免疫活性を上昇させる。 抗腫瘍薬としてのウイルスの可能性は20世紀の初頭から模索され始めた。当初は未精製の新規ウイルスが用いられたが、1960年代になるとウイルスを厳選し精製して使用する様になった。アデノウイルス、レオウイルス、麻疹ウイルス、単純ヘルペスウイルス、ニューカッスル病ウイルス、牛痘ウイルス等の多くのウイルスが臨床開発の途上に有る。最新の腫瘍溶解性ウイルスは、レオウイルスや(SVV-001)といった自然に存在するウイルスを腫瘍選択性を高める様に改良して作成されており、臨床試験に進んだものも有る。 2011年時点では、ヒトでの試験が実施されたものは少ない。にも拘わらず、(OncoVex、T-VEC)は第III相臨床試験の中間解析結果が良好である事を2012年1月に発表し、2015年12月(進行悪性黒色腫の治療薬として)最初に承認されたウイルスとなった。懐疑論者は、発表されなかったこそが最終的な判断の材料となる事を理由に中間解析結果の臨床的妥当性について疑義を申し立てていた。又、この治療法は他の治療法と組み合わされる事で有効性が最大化されるとも言っている。 ==開発の経緯== 腫瘍の縮小とウイルスとの関連性は長い期間理論付けられ、20世紀初頭には子宮頸癌、バーキットリンパ腫、ホジキンリンパ腫の発症(感染)又は予防接種で腫瘍が縮退する現象が報告される様になった。ウイルスの予防接種或いは意図的な感染に依る癌治療の為の努力は20世紀半ばから始められた〔。ウイルスの改変技術が未だ無かった事から、研究初期には自然界から腫瘍溶解活性を持つウイルスを見つけ出す事に注力された。1960年代には、ポリオウイルス、アデノウイルス〔、、エコーエンテロウィルス()〔Chumakov P, Morozova V, Babkin I, Baikov I, Netesov S, Tikunova N. Oncolytic enteroviruses. Molecular Biology, 2012, Vol. 46, No. 5, pp. 639-650. ISSN 0026-8933. URL:http://www.virotherapy.eu/publications/preclinical/oncolytic-enteroviruses-2012.pdf〕、その他のウイルス〔を用いた研究が有望視された。研究初期に多かった合併症はウイルス感染制御の失敗で、疾病罹患や死の転帰を辿った。患者に害は無くとも〔免疫反応が活性化される事でウイルスが破壊され、癌細胞を破壊出来ない事が非常に多かった〔。最初期にはウイルス療法で治療可能な癌腫は非常に限られていると考えられていた〔。腫瘍縮小が見られた場合でも、それは完全奏効でも持続的奏効でもなかった〔。化学療法や放射線療法が発展してきた頃、ウイルス療法は遺棄されるかに見えたが、開発は継続された。癌は依然として主な死因であり新たな治療法が必要とされていた。ウイルス改変に必要な遺伝子工学が開発され、ウイルス療法は新たな局面を迎えた〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「腫瘍溶解性ウイルス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|