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「落とし穴と振り子」(おとしあなとふりこ、''The Pit and the Pendulum'')は、エドガー・アラン・ポーの短編小説。異端審問によって捕らえられた語り手が、牢獄内の様々な仕掛けによって命をおびやかされる様を描いている。スペインでの異端審問という歴史的背景はあまり重視されない一方、この作品ではしばしば超常現象に頼って作られているポーの他の作品とは違い、感覚(特に聴覚)に焦点を当てるによって物語にリアリティを与え、読者の恐怖を煽り立てる。 1843年『ザ・ギフト』の年末・新年号に掲載され、その後わずかに手直しされた後に1845年5月の『ブロードウェイ・ジャーナル』に再掲された〔Sova, Dawn B. ''Edgar Allan Poe: A to Z''. New York: Checkmark Books, 2001. ISBN 081604161X p. 188〕。 == あらすじ == 舞台はトレドでの異端審問に設定されており、物語の冒頭では、語り手は自分が異端審問にかけられた経緯を語る。どのような理由で罪に問われたのかは明らかにされないが、彼は黒衣をまとった何人もの冷酷な判事の前に連れてこられ、死を宣告されたことを悟る。目の前にあった7本の蝋燭が消えるとともに気を失ったらしい彼は、気がつくと真っ暗な部屋に放り込まれていた。最初は墓の中に生き埋めにされたのではないかと恐れたが、ほどなくそこは地下牢であるらしいことがわかる。彼は暗闇の中で牢獄内を探るため、囚人服の裾を切り取り地面において目印とし、壁際にそって歩き始めるが、しかし途中で気を失ってしまう。 次に目覚めると、語り手の傍には水とパンが置かれていた。彼は食事を取ったあとに調査を再開し、結果部屋の周囲はちょうど百歩であり、また石造りかと思っていた壁もよく調べると金属製であったことがわかる(ただし部屋の周囲が百歩というのは勘違いで、次に調べた時はちょうど五十歩であった。調査を再開したとき逆向きに歩いてしまったのである)。次に彼は部屋を横切ってみようとして、囚人服の切れ端に足を取られ転倒する。しかし床に顔を打ち付けたというのに、顎より上に床の感触がなかった。部屋の中央には深い大きな穴が開いており、彼はすんでのところでその穴に落ちるところだったのだ。 睡魔に襲われた語り手が再び気を失い、また意識を取り戻すと、牢獄内にはわずかに明かりがともって周囲が見渡せるようになっていたが、しかし語り手は木の台に仰向けに縛り付けられてほとんど身動きが取れなくなっていた。語り手の頭上には「時の翁」を描いた天井画があったが、しかしよく見ると普通「時の翁」が持っているはずの大鎌がなく、その代わりに先が鎌の形になった巨大な振り子を吊るしていた。そして振り子は前後に振幅しながら、縛り付けられている語り手の心臓めがけてゆっくりと降りてきた。語り手は絶望するが、しかしとっさに思いついて、わずかに動く手を使って、食料として与えられていた肉を自分を縛り付けている革紐にこすりつけ、ネズミをたからせて食いちぎらせた。語り手が間一髪で解放されると、振り子はまた天井へと戻っていった。 しかし、まもなく彼は牢獄の壁に異常が起こっていることに気がつく。金属製の壁が高熱を帯びて、部屋の温度が耐えられないほどに熱くなってきていたのだ。さらにその壁は部屋の中央にある落とし穴に向かってどんどん迫り出してきていた。そしてほとんど足の踏み場がなくなり、語り手がもう穴に落ちるしかないのだと観念して目を閉じると、その耳に人の声が聞こえてくる。壁は後退していき、気を失って穴に落ちかかった語り手を人の腕が伸びて支えた。それはナポレオン軍のラサール将軍の手だった。フランス軍がトレドを攻略し、異端審問所は敵軍の手に落ちたのだった。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「落とし穴と振り子」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 The Pit and the Pendulum 」があります。 スポンサード リンク
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