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雅安市(があん-し)は中華人民共和国四川省西部に位置する地級市。 長江の上流地帯に位置し、四川盆地の西縁に位置する。東は成都市と眉山市、楽山市、西はカンゼ・チベット族自治州、北はアバ・チベット族チャン族自治州、南は涼山イ族自治州と接する。「川西咽喉」(四川西部ののど)、「西蔵門戸」(チベットの玄関)、「民族走廊」(少数民族の回廊)などの異名を持つ。 == 地理 == 四川盆地の西のふちに伸びる雅安市は、標高の高いチベット高原と平らな成都平原の間の過渡地帯に属する。北部は邛崃山脈、二郎山脈、夹金山脈、大雪山脈など非常に高い山脈が連なり、最も高い地点は5,793mに達する。市域の北と西と南には青い高山が連なり、四本の川が市街地を貫いて流れる。市域内の主な河川は大渡河の支流の青衣江で、邛崍山脈の海抜4,930mの地点に発する宝興河を源流とし、宝興県の飛仙関で天全河および栄経河と合流して青衣江となる。雅安は古来より雨が多く、この地を評して「西蜀天漏」という言葉があった。また、俗に「雅無三日晴」(雅州に三日の晴れ無し)とも言われ、雨城という異名があった。中心市街地を管轄する「雨城区」の名はこれに由来する。 雅安市は亜熱帯気候に属し、冬の厳寒はなく、夏の酷暑もなく、四季ははっきりと分かれ、雨量が非常に多く、無霜期が長いなどの特徴がある。春は暖かくなるのが早く、夏は気温が高く、秋は雨が多く、冬は霜が少ない。夜間の雨が年中を通して多く、霧の日は年中を通して少ない。 ただし、市域内は広く地形も高低差が激しく複雑なため、気候も市域内で激しく違っている。特に気候の垂直差が大きく、四川盆地から青蔵高原(チベット高原)へとそそり立つ山の側面では、亜熱帯植物の生える山麓から温帯と冷帯の植物の山腹、亜寒帯や寒帯の植物の生息する山頂という垂直分布が見られる。 大相嶺(泥巴山)が市域の中央を東西に貫き、この南北でも気候は大きく違う。北部の各県区は雨が多く晴れの日が少なく、年平均気温は15度前後、年間総雨量は1,000mmから1,750mmの間である。南部の漢源県と石棉県では、大相嶺を乗り越えてきた乾いた風が吹き下ろすため、乾燥した暖かい気候であり、雲量は少なく晴天が多く、日照時間も長く気温も高い。年平均気温は17度から18度になり、年間総雨量も750mm前後にまで少なくなる。 山地は茶の栽培が盛んで、蒙山(蒙頂山)で採れる蒙頂茶は有名である。四川省の西部を周が征服して以来、この地で飲まれていた茶が漢族に紹介され、秦による蜀の征服で中国中に茶の習慣が広がった。蒙山では春秋戦国以来、茶の栽培が行われ、世界の茶文化や茶の人工的な栽培の発祥地である。雅安の古くからの名産には、雅安の魚、蒙頂茶、香谷米、花椒(カホクザンショウ)、黄蓮(オウレン)、外郎の石硯がある。また現代では、山地にある金属や石を採掘する鉱業、高低差があり急流の多い地形を利用した水力発電、化学工業や建材づくりも盛ん。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「雅安市」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ya'an 」があります。 スポンサード リンク
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