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距離空間(きょりくうかん、''metric space'')とは、距離関数(きょりかんすう)と呼ばれる非負実数値関数が与えられている集合のことである。 == 概要 == 古代より、平面や空間、地上の 2 点間の離れ具合を表す尺度である距離は測量や科学、数学において重要な役割を果たしてきた。1906年にモーリス・フレシェは、様々な集合の上で定義された関数の一様連続性の概念を統一的に研究した論文〔フレシェは彼の研究の動機として、以下のクラスの関数についての先行研究をあげている:時代とともに発展してきた1つの変数 x に関する関数 y の概念、2つや3つの変数についての関数、あるいはn変数、または無限個(le Roux; Nouvelles Annales de Mathematiques 1904 448-458)の変数についての関数、(Volterra; Acta Mathematica 1889 233-286) や (Arzela; Rendiconti della R. Accademia dei Lincei 1889 342-348) に始まる曲線の形と位置に関する関数の研究、(Hadamard; Comptes Rendus de l'Academie des Sciences 1903 351-354)による関数を変数とするような汎関数の研究など。彼はこれらの研究を統合するために、数や点、関数、線や曲面など任意の種類の集合 (ensemble de nature quelconque) に対して述べることのできる形で距離化可能一様空間や距離空間の公理を定式化し、それらの空間の上に定義された関数の連続性や一様連続性について研究した。〕において、ユークリッド空間から距離の概念を抽出して用い、距離空間の理論を築いた。 平面 R2 の上の 2 点 ''P''1 = (''x''1, ''y''1), ''P''2 = (''x''2, ''y''2) の間の距離にもマンハッタン距離 やユークリッド距離 などがあり、同じ集合に対して何種類もの異なる距離関数を考える事も少なくないため、集合 ''X'' と距離関数 ''d'' を組にして (''X'',''d'') と書き、距離空間と呼ぶ。 特に距離が与えられることによって、点同士の関係を実数値として定量的に捉えることができるので、極限や連続性の概念が扱いやすくなる。フレシェは位相幾何学の成果のうちで距離に関するものを汲み上げ、一般の距離空間の性質として証明しなおして適用することで汎関数の極限を調べている。 距離空間では、距離を用いて近傍系を定義する事もできるため、位相空間の特殊な例になっている。ユークリッド距離とマンハッタン距離であれば、R2 上に同じ近傍系を定めることができるが、異なる近傍系を持つ距離もある。 フェリックス・ハウスドルフは位相空間の重要な性質として距離・近傍系・極限の 3 つを考察し、近傍系を選び位相空間の公理化を行った。そして、極限や連続性などの概念も距離とは無関係に一般化されていった。こういった一般の位相空間から距離は導かれないので距離空間で論じられる空間は一般の位相空間より狭い範囲のものに限られてしまう。しかし、距離空間は一般の位相空間における定理の意味を掴みやすく、また、位相空間論が応用される集合は距離空間として考えることができる空間が多いため、距離空間は今なお重要な概念である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「距離空間」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Metric space 」があります。 スポンサード リンク
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