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0080 ( リダイレクト:機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争 ) : ウィキペディア日本語版
機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争[きどうせんしがんだむ だぶるおーえいてぃ ぽけっとのなかのせんそう]

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』(きどうせんしガンダム ダブルオーエイティ ポケットのなかのせんそう、MOBILE SUIT GUNDAM 0080 War in the Pocket)は、1989年発売の『ガンダムシリーズOVA作品。全6話。略称は「0080」、「ポケ戦」(ポケせん)。
それまでガンダムシリーズを手がけてきた富野由悠季以外が監督した初の作品である。また、一連のガンダム作品の中で最初のOVA作品でもある。
1989年にVHSレーザーディスク1999年DVDが発売されている。
== 概要 ==
機動警察パトレイバー』に続く低価格OVA第2弾。『パトレイバー』と同様、全6話1本4800円である。スタッフは『超時空要塞マクロス』の関係者が多い。『パトレイバー』が1話完結だったのに対し、本作は「1本の映画を6話に分ける」という手法を採用している。これは当時、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のレンタルが好調のため、テレビアニメ的だった『パトレイバー』以上に映画的手法を指向したためである〔『ガンプラ・ジェネレーション』より。〕。1巻あたり6万本、後年のDVDを加えると全巻50万本もの大ヒットとなった。
バンダイビジュアル(当時はバンダイ・メディア事業部)の高梨実によると、高山文彦に監督を依頼したのは『マクロス』で高梨が気に入った話が全て高山の演出だったからだという〔『学研ムック 機動戦士ガンダム第08MS小隊』より。〕。高山は電話を持っておらず、「死んだ」という噂があるほど居場所が不明だったが、内田健二が探し当てて直接訪ねに行った。前述の理由から唐突に訪ねてきた内田に高山は驚いたが、仕事がなくて困っていたので監督を引き受けることにした〔石井誠・市ヶ谷ハジメ・岡島正晃 『MOBILE SUIT GUNDAM 80/83/08』 太田出版、2003年、10-42頁〕。
「でかいブリキの箱の中に入ってパンチふるって何が楽しいんだろう」とロボットアニメに疑問を感じていた高山が監督を手がけた結果、MSを初めとするメカニックの戦闘シーンは少なく、代わりに人間ドラマを重視した作品になった。高山は、メインキャラクターについてはさほど注文を付けなかったが、サブキャラクターについては映画俳優の資料を美樹本晴彦へ渡してイメージを伝えた〔具体的な俳優のイメージは、『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争の登場人物』を参照。〕。しかし、本作が商業的に成功して以降、高山への依頼はメカ物ばかりになってしまった。
主人公が非戦闘員の小学生という点でも異色作となった。また、主人公のアルを演じた浪川大輔1989年当時12歳で、ガンダムシリーズの主人公を演じた声優では最年少に当たる。浪川は現在もプロの声優として活動を続けているが、本作への出演後に声変わりしたため、後のゲーム作品では比嘉久美子がアルを演じている。ただし、1999年にDVDが発売された際のテレビCMのナレーションは「成長したアルが当時を振り返る」という設定で、再び浪川が担当した。
本作以前のガンダムシリーズはニュータイプを主軸に物語を展開したが、本作では普通の人々を主役に、サイド6という中立地帯での局地戦を舞台にしている。主役MSの新型ガンダムRX-78 NT-1 アレックス」の出番こそ少ないが、比較的それが多い第4巻と第6巻が他巻以上に販売実績が好調だったことから、次回作のOVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』はガンダムの出番の多いものになった〔『大人のガンダム』より。〕。
アレックスはニュータイプ専用に調整された機体であり、連邦軍内で「ニュータイプ部隊」と位置づけられていたホワイトベースアムロ・レイへ渡されるはずの機体だったという設定はあるものの、「ホワイトベース」という艦名が登場する以外は基本的に『機動戦士ガンダム』本編とストーリー上の直接の接点はない。
各話のサブタイトルや物語のプロットは、アーネスト・ヘミングウェイなどの戦争文学作品の作風でまとめられている他、主人公の民間人の少年が“敵国”の兵器に憧れてそのパイロットと親交を深める点などは、映画『太陽の帝国』との類似点も指摘される。構成担当の結城恭介は、本作について『太陽の帝国』を意識しつつも、主旨はあくまで違うという旨の発言をしている。
タイトルにある「0080」は、一年戦争終結の日が宇宙世紀0080年1月1日だったことに由来する。誤解されることがあるが、物語のほとんどは宇宙世紀0079年12月の出来事である。なお、「ポケットの中の戦争」とは、リボーコロニーでの経緯がコンペイトウ(ソロモン)へ報告された際にレビル将軍がこの一件を「些細な一事に過ぎない」という意味で評した台詞から採られたとされているが、この「レビル将軍の発言」は『0080』完結後に発行された『機動戦士ガンダム 戦略戦術大図鑑』の記述が初出であり、『0080』発売当時には存在しなかったものである。ゲームなどのMS主体の媒体でアル自体が登場しない場合、物語そのものやアイキャッチ、結末などで連想される少年が見て胸にしまい込んだ戦争(の真実)という解釈が成り立たないためか、上述に類似した解釈が採用されることが多い。
MSなどのデザインは、出渕裕の手によってリファインされている。これは『機動戦士ガンダム』に登場した機体を、本放送当時のアニメ技術では描き切れなかった部分まで、よりリアリティの高いデザインで描くためのものだった。しかし、これらには後に「統合整備計画によるバリエーション機体」という設定が追加され、2014年現在では単なるデザイン上のリファインではなく別機体として扱われている。また、それまで二次創作の漫画で散見されていたジオン軍のナチス・ドイツ軍風のリファインも、本作から本格的に行われている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Mobile Suit Gundam 0080: War in the Pocket 」があります。




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