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フロログルシノール(phloroglucinol)は、医薬品や爆薬の合成に使われる有機化合物である。フロログルシノールはフェノール型である1,3,5-トリヒドロキシベンゼンと、ケトン型である1,3,5-シクロヘキサトリオン(フロログルシン)の2種の互変異性体が存在し、それぞれ化学平衡の関係にある。フロログルシノールは多官能性であることから有機合成における中間体として便利である。 フロログルシノール二水和物の結晶の融点は116-117 であるが、無水和物の融点は218-220 と高い。沸騰はせず、昇華性を持つ。 == 単離、合成および反応 == フロログルシノールは、果樹の樹皮から初めて単離された。合成法はいくつかあるが、代表的なのはトリニトロベンゼンを経由した合成である〔Helmut Fiege, Heinz-Werner Voges, Toshikazu Hamamoto, Sumio Umemura, Tadao Iwata, Hisaya Miki, Yasuhiro Fujita, Hans-Josef Buysch, Dorothea Garbe, Wilfried Paulus "Phenol Derivatives" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, Wiley-VCH, Wienheim, 2005. DOI: 10.1002/14356007.a19_313. Published online: 15 June 2002.〕。 普通、アニリン誘導体はヒドロキシド側に向かって不活性であるためこの合成法は注目に値する。また、トリアミノベンゼンはイミン体と互変異性を起こすため加水分解を受けやすい。 フロログルシノールは、ヒドロキシルアミンとの反応ではケトンのように振る舞い、トリス(オキシム)を形成する。また、ベンゼントリオール(''K''a1 = 3.56 × 10−9, ''K''a2 1.32×10−9)としても振る舞い、3つのヒドロキシル基をメチル化させると1,3,5-トリメトキシベンゼンが形成する〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「フロログルシノール」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Phloroglucinol 」があります。 スポンサード リンク
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