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イソプレン(isoprene)は構造式CH2=C(CH3)CH=CH2の、二重結合を2つ持つ炭化水素。ジエンの一種。IUPAC命名法では 2-メチル-1,3-ブタジエン (2-Methyl-1,3-butadiene) と表される。分子量 68.12、融点 −145.95 ℃、沸点 34.067 ℃。室温では揮発性の高い無色の液体で、ゴムもしくは都市ガス様の臭気を持つ。可燃性・引火性に富み、特に霧状で大気中に存在すると爆発の危険がある。CAS登録番号は 。消防法に定める第4類危険物 特殊引火物に該当する〔 (東京化成工業株式会社)〕。 産業のみならず生体物質としても有名ではあるが、場合によっては環境や人体に多大な影響を及ぼす恐れがある。 イソプレンは天然ゴムのモノマーであり、イソプレノイドと総称される天然有機化合物類の共通構造モチーフでもある。イソプレノイドの分子式はイソプレンの倍数であり、(C5H8)nで表される(イソプレン則を参照)。生物システムにおける機能性イソプレン単位は、ジメチルアリル二リン酸 (DMAPP) および異性体のイソペンテニル二リン酸 (IDP) である。 英語の単数形 “isoprene”および“terpene”は本化合物を指すが、複数形の“isoprenes”あるいは“terpenes”はテルペノイド(イソプレノイド)を指す。 == 自然発生 == イソプレンは多くの種の木によって生産され、大気中に放出される(主な生産者はオーク、ポプラ、ユーカリ、一部のマメ科植物)。植生によるイソプレンの年間放出量は約600 Tgであり、半分は熱帯広葉樹、残りは低木由来である。これはメタン排出量とおよそ同等であり、大気中に放出される全炭化水素の1/3に相当する。放出後、イソプレンは(ヒドロキシルラジカルのような)フリーラジカルおよびより少ない程度のオゾン〔IUPAC Subcommittee on Gas Kinetic Data Evaluation – Data Sheet Ox_VOC7 , 2007〕によって、アルデヒド、ヒドロペルオキシド、有機硝酸塩、エポキシドといった様々な分子種に変換され、これらは水滴と混じり合いエアロゾルや煙霧の形成を助ける。ほとんどの分野ではイソプレン放出はエアロゾル形成に影響を与えると認められているが、イソプレンがエアロゾルを増加させるか減少させるかについては論争がある。大気に対するイソプレンの二番目に主要な影響は、窒素酸化物 (NOx)の存在下での形成に寄与することである。これは多くの国々における主要な大気汚染の一つである。イソプレン自身は、植物由来の天然物の一つであるため、通常は汚染物質とは見なされていない。対流圏オゾンの形成はほぼ例外なく工業活動から来る高レベルのNOx存在下でのみ可能である。実際に、イソプレンは低レベルのNOx下ではオゾン形成を抑えるという逆の効果を示す。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「イソプレン」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Isoprene 」があります。 スポンサード リンク
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