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2012年夏季オリンピックの開催地選考 : ウィキペディア日本語版
2012年夏季オリンピックの開催地選考[2012ねんかきおりんぴっくのかいさいちせんこう]
2012年夏季オリンピックの開催地選考には9都市が立候補した。そのうち、1次選考でロンドンマドリードモスクワニューヨークパリの5都市が最終候補都市(正式立候補都市)に選出され、ロンドンが史上初の3度目となる夏季オリンピック開催地に選ばれた。2012年夏季オリンピックの開催地選考レースは、これまでのオリンピック招致レースの歴史の中で最も熾烈な戦いだったと評されている。当初から質の高い計画が高評価で有力視されていたパリを、セバスチャン・コー招致委員会会長率いるロンドンが追い上げ、ロンドンはその後も積極的なロビー活動を展開して開催権を勝ち取った 〔。マドリードも有力候補の一角ではあったが、国内で1992年バルセロナオリンピックを開催してからまだ20年しかたっていないことが障害となり、ロンドンやパリほどの支持を集めることが出来なかった。
立候補を申請した9都市が概要計画を記した「申請ファイル」をIOCに提出したあとIOCの作業部会が各都市を点数評価し、2004年5月18日に行われた1次選考で点数の高かった上位5都市が最終候補都市に選出された。評価の低かった残りの4都市(ハバナイスタンブールリオデジャネイロライプツィヒ)は1次選考で落選した。最終選考に残った5都市は世界的な大都市同士の争いとなり、当初は1次選考で高評価を得たパリとマドリードが抜き出る展開でスタートしたが、2005年になると現地視察や評価報告書の結果からロンドンも次第に追い上げ、白熱した戦いとなった。2005年7月6日シンガポールで開かれた第117次IOC総会において開催地を決める投票が行われ、1回目の投票でモスクワが落選、2回目でニューヨーク、3回目でマドリードがそれぞれ落選し、最後の決選投票でパリを4票差で制したロンドンが開催地に選ばれた。
開催地決定の1ヵ月後にパリの招致委員会関係者が、ロンドンがIOCの規定に違反した行為を行っていたという論議を起こした。焦点となったのはトップアスリートや当時のトニー・ブレア首相によるロビー外交であった。IOCのジャック・ロゲ会長はこの告発に対し、「競争は公平であった。」と公式発表した。もう1つの告発は、イギリスのテレビ系列であるパノラマによる秘密調査で明らかになったもので、IOCのイヴァン・スラヴコフ委員やオリンピック関連団体がロンドンに投票することで金銭の授受があったのではという金権腐敗疑惑である。2002年の招致レースにおけるソルトレイクシティの金権腐敗の影響が残る中での事件だったため、IOCの反応は迅速かつ毅然であった。
==開催地選考の過程==
オリンピック開催地の選考過程は、立候補を希望する都市を抱える国・地域のオリンピック委員会(NOC)が国際オリンピック委員会(IOC)に申請書を提出することで始まり、開催7年前に開かれるIOC総会でIOC委員の投票によって開催地が決定される。この過程は、オリンピック憲章の第5章34項に定められている。
1999年から開催地の選考過程は2段階の構成に変更された。まず第1段階では立候補の申請書をIOCに提出して「申請都市」となり、IOCが作成した設問に答える形の概要計画書「申請ファイル」を期限日までに提出しなければならない。その後、IOCの作業部会が各都市の申請ファイルを精査して点数評価し、点数の高い都市は大会の開催能力があると見なされ、IOC理事会において「正式立候補都市」に選出される。選出された都市のみ第2段階に進み、期限日までに詳細な開催計画書「立候補ファイル」をIOCに提出する。このファイルを基にIOCの評価委員会(IOC委員、NOC代表、国際競技団体代表、選手代表、パラリンピック委員会代表などで構成)が各都市を4日間現地視察し〔、その結果から長所と課題を併記した「評価報告書」を開催地決定の1ヶ月前に各IOC委員に送付し、公表する〔。
開催地を決める投票は、立候補した都市及びその国以外で開かれるIOC総会で行われる〔。投票はIOC委員によって行われ、各委員がそれぞれ1票を持つ。IOCの会長には投票権がなく、立候補都市を擁する国の委員はその都市が落選するまでは投票に参加できない。過半数の票を得た都市が開催地に選ばれるが、1回目の投票で過半数の票を得た都市が無かった場合は最も票の少ない都市を落選させ、2回目の投票を行う。この手順で過半数の票を得る都市が出るまで投票を繰り返す。開催地に選ばれた都市は、その都市を抱えるNOCの代表が、IOCと「開催確約書」に署名することで正式に開催都市として決定する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「2012年夏季オリンピックの開催地選考」の詳細全文を読む



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