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3E戦略とは、広く使われている標準に関わる製品を投入し、その標準にプロプライエタリな機能を追加して拡張し、その拡張部分の差によって競合製品に打ち勝つというマイクロソフトの戦略である。アメリカ合衆国司法省がマイクロソフト内部で使われている "Embrace, extend and extinguish" (取り込み、拡張し、抹殺する)または "Embrace, extend, and exterminate" (取り込み、拡張し、根絶やしにする)という言葉を発見したことを起源とする。 == 起源 == この戦略と "embrace and extend" という言葉がマイクロソフト社外で初めて解説されたのは1996年、ニューヨーク・タイムズ紙の "Microsoft Trying to Dominate the Internet" (マイクロソフトはインターネットを支配しようとしている)という記事でのことである。この記事を書いた John Markoff は「単にインターネットを取り込んで拡張するのではなく、マイクロソフトはそれを飲み込むつもりではないかと、同社に批判的な人々は恐れている」と書いている。"embrace and extend" という言葉はマイクロソフト従業員 Dean Ballard の作った戯れ歌にも出てくるし、ニューヨーク・タイムズ紙が行ったスティーブ・バルマーのインタビューでも使われた〔Steve Lohr, "Preaching from the Ballmer Pulpit." ''New York Times'', Sunday, January 28, 2007. pp. 3-1, 3-8, 3-9. 〕。 そして、そこから派生しよく知られるようになった "embrace, extend and extinguish" という言葉は、マイクロソフトが司法省から反トラスト法違反で訴えられた法廷で、インテルの副社長 Steven McGeady が証人として〔 DOC形式〕、1995年にマイクロソフトとインテルで行った会議の席でマイクロソフトの副社長 Paul Maritz がNetscapeやJavaやインターネットに対する同社の戦略を説明する言葉として発したと証言したのが初出である。このフレーズは McGeady の証言にもあるようにマイクロソフトの戦略の最終段階を強調するものであり、それは競合する者から顧客を奪うことに他ならない。 古い形の派生として "embrace, extend then innovate" という言葉もある。これはマイクロソフトの J Allard が1994年、Paul Maritz 他のマイクロソフト経営陣に宛てたメモ "Windows: The Next Killer Application on the Internet" の中で使われていた。このメモはまずインターネットの背景全般を説明し、Windowsをインターネットにおける次の「キラーアプリ」とするための戦略を提案したものである。 : インターネットコミュニティ内で必要な敬意を築き、マインドシェアを獲得するには、これまで我々がTCP/IPに関して行った努力とは異なる処方が推奨される。それは、取り込み、拡張し、革新するというものである。 : * 第1段階(取り込み、embrace): 関係者全員が情報構造とコミュニティを確実に理解する必要があり、それによってユーザーベースのニーズとトレンドが把握できる。そのとき初めて、我々はマイクロソフトのシステム製品をインターネットシステムとすることが可能になる。 : *第2段階(拡張、extend): 適切な組織や我々とよく似た目標を持つ会社との関係を築く。インターネットコミュニティが開発した確立されたポピュラーな標準に準拠したツールやサービスを提供する。 ; *第3段階(革新、innovate): 新たな適当なインターネット標準の策定でリーダーシップを確立し、標準の既製タイトルをインターネット対応にする。 :ルールを変える: Windowsが次世代のインターネットツールになる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「3E戦略」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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