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4-アミノサリチル酸(4-アミノサリチルさん)は、結核の治療に使われた抗生物質である。潰瘍性大腸炎やクローン病に強い効果があることが認められ、1940年代から炎症性腸疾患の治療に用いられている。核内因子κB (NF-κB) を抑制することと、フリーラジカルを除去することにより薬効が現れると考えられている。類縁体の5-アミノサリチル酸は一般名メサラジンとして販売される医薬品である。パラアミノサリチル酸 (paraaminosalicylic acid) とも呼ばれ、PASと略称される。 医薬品としてはカルシウム塩が用いられる。 == 薬効 == 4-アミノサリチル酸は1948年から臨床の場で使われるようになった(日本では1950年から市販され、翌1951年から保険適用〔パラアミノサリチル酸 - 新・結核用語辞典〕)。結核に効果のある治療薬としては、ストレプトマイシンに次いで2番目に発見されたものである。リファンピシンやピラジナミドが開発されるまでは、結核の治療に用いられる標準的な薬の一つであった。 結核治療薬としての効果は現在一線級の薬(イソニアジド、リファンピシン、エタンブトール、ピラジナミド、ストレプトマイシン)よりは落ちるが、多剤耐性結核には依然として有効である。常に他の抗結核薬と併用される。 容量は150ミリグラム/キログラム/日で、これを2回から4回に分けて投与される。平均的な大人への投与量は1日4回、約2から4グラムとなる。アメリカ合衆国では「パーサー (Paser)」の商標名で、4グラム入りの徐放剤が販売されている。この薬剤は酸性の食べ物や飲み物(オレンジ、リンゴ、トマトジュースなど)とともに服用する必要がある。かつて、4-アミノサリチル酸とイソニアジドの合剤が、パシナー (Pasinah) やピカミサン33 (Pycamisan 33) の名称で製造されていた。 4-アミノサリチル酸は潰瘍性大腸炎の治療にも使われているが、スルファサラジンやメサラジンに取って代わられている。 マンガンのキレート療法にも用いられ、エチレンジアミン四酢酸などの薬剤よりも優れた効果を持つとされる。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「4-アミノサリチル酸」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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