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53平均律[ごじゅうさんへいきんりつ] 53平均律(53-equal temperament)とは、1オクターブを53の等しいステップに分割した音律である。 各ステップは、 ( ) の周波数比率、あるいは22.6415セントである。この音程は時にホルダーのコンマと呼ばれる。 == 歴史 == この分割への理論的な関心は古代にさかのぼる。中国の音楽理論家である京房(78BC-37BC)は、53個の完全五度の連鎖 が、31オクターブ にほぼ等しいことを発見した。彼は6桁の精度で差を算出し とした(京房の六十律)〔McClain, Ernest and Ming Shui Hung. ''Chinese Cyclic Tunings in Late Antiquity'', Ethnomusicology Vol. 23 No. 2, 1979. pp. 205–224.〕。 その後、同じ発見が、数学者および音楽理論家であるニコラス・メルカトル (Nicholas Mercator, c. 1620-1687) によってなされ、彼はこの値を として正確に算出し、これはメルカトルのコンマとして知られている〔Monzo, Joe (2005). "Mercator's Comma" , ''Tonalsoft''.〕。メルカトルのコンマは、約3.615セントという小さな値であるが、53平均律は、そのコンマの 1/53 (≈ 0.0682 セント ≈ 1/315 シントニックコンマ ≈ 1/344 ピタゴラスコンマ) だけ各々の完全五度を補正し平準化する。したがって、53平均律は、すべての実際上の目的に対して、ピタゴラス音律の拡張と等価である。 メルカトルの後、ウィリアム・ホルダーは、1694年の論文で、53平均律が、長三度を1.4セント以内によく近似することを指摘した。したがって、53平均律は、5限界純正律の音程を高い精度で代表する〔Holder, William, ''Treatise on the Natural Grounds and Principles of Harmony'', facsimile of the 1694 London edition, Broude Brothers, 1967〕〔Stanley, Jerome, ''William Holder and His Position in Seventeenth-Century Philosophy and Music Theory'', The Edwin Mellen Press, 2002〕。53平均律のこの性質は、より以前に知られていたかもしれない。アイザック・ニュートンの未出版の手稿は、彼が1664-65年頃すでにそれに気づいていたことを示唆する〔Barbieri, Patrizio. Enharmonic instruments and music, 1470–1900 . (2008) Latina, Il Levante Libreria Editrice, p. 350.〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「53平均律」の詳細全文を読む
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