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A種接地 : ウィキペディア日本語版
接地[せっち]

接地(せっち)とは、電気機器の筐体電線路の中性点・電子機器の基準電位配線などを電気伝導体で基準電位点に接続すること、またその基準電位点そのものを指す。本来は基準として大地を使用するため、この名称となっているが、基準として大地を使わない場合にも拡張して使用されている。アース()、グランド(グラウンド)()とも呼ばれる。
== 概要 ==

=== 電気保安用接地 ===
1897年10月6日、神田区錦町の牛肉店「ゑち勝」で15歳の雇女が電灯線に触れて感電死した。変圧器が風雨で劣化し高圧側(2000V)と低圧側が混触したためだった。〔「●電燈線に觸れ即死したる後聞(こうぶん)  前號の欄外に神田區錦町二丁目三番地牛肉店ゑち勝の雇女(やといおんな)お花(十五)電燈線に触れて即死せしことを掲げしが此のお花といふㇵ主人山下萬吉(前號刑部伊三郎ㇵ誤り)の女房お繁(しげ)の血縁にて横濱市石川町一丁目三十五番地生形(おゐがた)庄吉の長女なり昨年の二月中普通の雇女同様の約束にて同家に來り頗る實直に立働くに太く(いたく)く主人夫婦の氣に適り(いり)居りしが一昨日午後五時二十分頃電燈を點(てん)せんとして同家の店頭(みせさき)にある十六の電燈線へ手を觸れたるに如何にしけん食指(ひとさしゆび)及び中高指(なかゆび)が電燈線に附着して離れず遂に肉剝け骨現れ其場に倒れたるまゝ即死せるなりといふ」(1897年10月8日『東京朝日新聞』第4054号 p.5 最下段)。〕〔『コードに觸れて變死を遂ぐ』(電氣之友 第七十五号、明治三十年十月十五日、五百七十八頁下段) 店名表記は「江知勝」となっていて、新聞記事にはない原因究明なども書かれており興味深い。()〕その後この種の事故事例は東京以外でも多く発生するようになった〔小林勲『第二種接地工事』(社団法人日本電設工業協会発行 『電気設備 設計データ・計算の基礎』 25. p.102-103)。このページには上記『電氣の友』の文が収録されており、事件の日付が誤植で「10月1日」となっている。〕。それにより混触による高電圧の発生防止のため低圧側を接地することになった。これが電気保安用接地工事の嚆矢、1911年制定の『電気工事規程』〔電氣工事規程(明治四十四年九月五日 逓信省令第26号)第二十八條に「地線工事ハ左ノ二種トス」とあり、「第一種地線工事」と「第二種地線工事」の2種類が定められていた。〕で、変圧器の高圧側と低圧側の混触による感電事故防止のための低圧側接地用に「第二種地線工事」が初めて定められた〔高橋健彦『日本における感電保護の現状と課題』 2.日本における歴史的変還 (1)感電事故と接地の原点〕。ちなみに「第一種地線工事」は機器筐体の接地用であった。
電気機器などが金属の筐体に収納されている場合、故障などによる地絡で筐体が大地に対して電位を持つと、人が触って感電し火傷を負ったり死亡したり、また漏洩電流による発熱で火災の原因となる可能性がある。これを防ぐために、これらの機器や設備を大地に接続してその電位と大地の電位との差を十分に小さく(理想的には 0 ボルト)する必要がある。
したがって接地工事の目的を以下のようにまとめることができる〔電気設備に関する技術基準を定める省令第十条に「電気設備の必要な箇所には、異常時の電位上昇、高電圧の侵入等による感電、火災その他人体に危害を及ぼし、又は物件への損傷を与えるおそれがないよう、接地その他の適切な措置を講じなければならない」とある。〕。
* 漏電による感電の防止、火災の防止
* 変圧器内部混触によって低圧電路に高電圧電流が侵入するのを抑制するため

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ground (electricity) 」があります。



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