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DNA複製[でぃーえぬえいふくせい]
DNA複製(ディーエヌエイふくせい、)は、細胞分裂における核分裂の前に、DNAが複製されてその数が2倍となる過程である。生物学ではしばしば複製 (replication) と略される。セントラルドグマの一員とされる。複製される一本鎖DNAを親鎖 (parent strand)、DNA複製によって新しく合成された一本鎖DNAを娘鎖 (daughter strand) という。また、DNA複製により生じた染色体の個々を姉妹染色分体 (sister chromatid) という。 == 複製の機構の概説 ==
DNA複製は複製開始 initiation 、伸長 elongation 、終結 termination の3段階で進む〔。なお、二重らせんをとる二本鎖DNAをdsDNA ( double-stranded DNA )、そうでない一本鎖DNAをssDNA (single-stranded DNA) と表記する。 複製は、DNA上の特別な塩基配列である複製起点(replication origin、起点:origin)から開始される。複製起点周辺で部分的に二重らせんが解かれ、親鎖の途中に2本のssDNAが現れる。直ちに、さまざまな酵素の複合体がssDNAに結合し、プライマーと呼ばれる短いRNAがssDNA上に合成される。ここまでが複製開始段階である。次の伸長段階で、DNA合成酵素のDNAポリメラーゼ (DNA polymerase) を含む複合体(複製装置、replication machinery)が親ssDNAに結合する。まずDNAポリメラーゼは、プライマーの3'末端と結合している親ssDNA上の塩基の隣の塩基を識別し、それと相補的なデオキシヌクレオチド〔をプライマーの末端に付加させる。それ以降、DNAポリメラーゼは親ssDNA上を5'から3'の方向へ移動しながら親ssDNAと相補的な塩基を娘鎖末端に付加させていく。同時に、娘鎖は親鎖と二重らせんを形成する。これと並行して、二重らせんのままの未複製部分は順次解かれていく。これが繰り返され、最終的に完全に複製した娘鎖が出来上がる。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「DNA複製」の詳細全文を読む
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