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ESS理論 : ウィキペディア日本語版
進化的に安定な戦略[しんかてきにあんていなせんりゃく]
進化的に安定な戦略(しんかてきにあんていなせんりゃく、ESS:evolutionarily stable strategy)は、進化生物学およびゲーム理論の重要な概念である。ジョン・メイナード=スミスジョージ・プライスによって1973年に提唱された(詳細はMaynard Smith, 1982)。これは、生物の母集団のとる、「侵略されない戦略」の概念を基礎としている。仮に突然変異対立遺伝子が発生し、別の戦略を取って他の生物に働きかけようとしても、母集団を侵略することはできず、逆に自然淘汰で排除されてしまうような戦略である。メイナード=スミスらはこの概念によってゲーム理論の有効性を広く示し、行動生態学経済学心理学などに影響を与えた。
== 歴史 ==
この概念は1972年のプライスの動物の対立に関する論文を基盤としている。のちに精神的な不調に陥ったプライスに変わりメイナード=スミスが洗練させた。プライスの論文は ウィリアム・ドナルド・ハミルトンの「打ち負かされない戦略」から着想を得ている。違いは、「打ち負かされない戦略」が、大挙して来襲した移住者に対抗するものであるということである。これはハミルトンの性比の研究に由来し、さらにアイディアのルーツはロナルド・フィッシャーフィッシャーの原理 (1930) やチャールズ・ダーウィンの『種の起源』にまでさかのぼることができる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「進化的に安定な戦略」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Evolutionarily stable strategy 」があります。



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