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グリコシルホスファチジルイノシトール グリコシルホスファチジルイノシトール(glycosylphosphatidylinositol、GPI)または、GPIアンカー(GPI anchor)は、真核細胞の細胞膜の外面に様々なタンパク質を繋ぎ止める基である。膜貫通タンパクを膜に固定するペプチドドメインも同じ役割を持っている。GPIアンカーに繋ぎ止められるものには、酵素、受容体、免疫系タンパク質、認識抗原などがある。 == 構造 ==
GPIアンカーは、ホスファチジルイノシトールに''N''-アセチルグルコサミン残基とマンノース残基3分子が線状にグリコシド結合し、非還元末端のマンノースにはホスホエタノールアミンがリン酸エステル結合し、そのアミノ基にはタンパク質のC末端がアミド結合した構造をしている。右図の中央のコア四糖にはタンパク質の種類によって様々な糖が結合する。また、右端の脂肪酸残基(R1、R2)にも種類がいろいろある。 タンパク質をつけたGPIアンカーは糖タンパク質と同じように細胞膜の外面にある。これは、GPIアンカーがゴルジ体から放出された分泌小胞の膜の内面にあり、それが細胞膜まで運搬されると小胞の内膜が細胞膜の外面になるように融合するためである(詳しくはゴルジ体を参照)。GPIアンカーと結合する前のタンパク質はC末端側に20~30の疎水性アミノ酸残基(シグナルペプチド)を持っている。これはGPIアンカーと結合するときに除去される。GPIアンカーと結合したタンパク質は後にホスファチジルイノシトールに特異的なホスホリパーゼによって処理されると細胞膜から切断される。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「グリコシルホスファチジルイノシトール」の詳細全文を読む
英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Glycophosphatidylinositol 」があります。
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