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H7N9鳥インフルエンザの流行(えいちななえぬきゅうとりインフルエンザのりゅうこう)は、2013年3月末に人間への感染が中国で初めて発見されたH7N9亜型A型インフルエンザウイルスによるインフルエンザ〔感染症予防法上の「新型インフルエンザ」の指定には「ヒト-ヒト感染」が必要である。鳥類への感染例はあり、例えば2012年1月に群馬県伊勢佐木市内の沼地で見つかった野鳥の糞から検出されている。喜田宏北海道大学教授は全種類の鳥インフルエンザを合成している。〕の流行である。明確なヒトヒト感染(ヒト間感染)は現在のところ確認されていない。 == 概要・経過 == 2013年3月30日の発見から2014年2月27日夜まで、中国本土(香港、台湾を除く)の感染確認例は367人である(死亡者数、回復者数の詳細については不明)。以下、中国の各行政区画における感染者数のデータを記述する。 : ※( )内は2013年12月31日夜→2013年2月27日夜の感染者数推移。変化がない場合は数字のみ。 : 浙江省(51→136)、広東省(6→81)、江蘇省(28→42)、上海市(33→41)、福建省(5→20)、河南省(9→16)、安徽省(4→9)、江西省(6)、北京市(4)、湖南省(4)、広西チワン族自治区(0→3)、山東省(2)、貴州省(1)(浙江省で感染)、河北省(1)、吉林省(1)、合計(140→367)・死亡( →36?)〔鳥インフルエンザ:ヒトからヒト疑い相次ぐ 中国で不安広がる 毎日新聞 2014年02月09日 東京朝刊〕 これらの他に中国本土からの輸入例と考えられる香港(4)、台湾(2)、マレーシア(1)がある。 * FAOによると、2014年2月5日現在感染者は少なくとも290人、死者は66人である(死亡率約23%)。 * 中国疾病管理当局によると、2014年1月28日現在、1月だけで96人が感染し、19人が死亡した〔中国で鳥インフル拡大、今月19人死亡 CNN 2014.01.28 Tue 17:15 JST]〕〔死亡者の中には、2013年の感染者も含まれる。死亡者の内12人が浙江省住民である。〕。 * 2014年の感染者は2月7日現在、中国本土と香港を合わせて〔2014年の台湾などの確定感染者報告はない。〕175人(うち36人死亡)〔<鳥インフル>ヒトからヒト感染疑い相次ぐ 中国で不安拡大 毎日新聞 2014年2月9日(日)9時56分配信〕。 2013年12月現在日本国内への感染普及の可能性があり、政府などは警戒を強めている。しかし、一般の人間が特に警戒するような状況ではない。家族・医療関係者以外のヒトからヒトへの感染が見られず、〔江蘇省の衛生当局が確認した例はある。死者50人超える 中国の鳥インフルH7N9型 再流行の懸念、感染地域も拡大 産経 2014.1.12〕、タミフルなどをすぐ服用すれば重症化しない例が多いためである〔普通の季節性インフルエンザへの警戒(予防接種、手洗い、うがい、マスク、高熱の場合すぐ医者に行く、など)程度の準備は必要である。〕〔鳥インフルエンザ(H7N9)への対応 p34 平成25年度新型インフルエンザの診療に関する研修 (2013.11.24 東京)〕〔2014年1月21日のWHOのリスクアセスメントでは、2013年前半と遺伝子の変化はなく、タミフルなどへの感受性も変化していないという。〕〔WHO RISK ASSESSMENT Human infections with avian influenza A(H7N9) virus 21 January 2014 〕。中国、香港などの流行地では、生(または生きている)の鶏、鴨、豚などに近づかないようにとの警告が出ている〔中国大都市中心部でも、路地に入ると生きた鶏などを売っている市場があることが珍しくない。〕。 * 「2013年12月現在では」きちんと警戒態勢をとった一般の旅行者や在留者に影響を及ぼす可能性は低い〔「暗数(あんすう、発見されていない数/潜在感染者数)」が存在する可能性はあるが、大規模な疫学的調査と、感染者のコンタクトトレーシング(感染者に接触した人間をさかのぼって検査すること)から、あまり多くないとされている。〕〔2000-2005年の日本の統計では、季節型インフルエンザの公式死者数は年間214-1818人で、推計死者数(超過死亡数)は年間913-15100人である。〕。 * H7N9は過去の流行が発見されておらず、世界の人間に免疫がなく、H7N9型はインフルエンザワクチンにも全く入っていないため〔「交叉」(他のタイプに対する免疫が、多少効果があること)を免疫経験、ワクチンともに全く期待できない。H,N両方が合わないと(つまりH7N9型用のものが入っていないと)効果が期待できない。〕〔タミフルなどはN型(つまりすべての)インフルエンザに効果があるが、耐性ウイルスが出現する可能性があり、ある程度症状が出てから投与するので、手遅れになる可能性がある。下気道で増殖するため、流行が限定的になっている代わりに症状が出るのが遅く突然悪化する傾向がある。〕、突然または爆発的流行のおそれは常にある。また通常のヒトインフルエンザとの遺伝子組み換えにより世界的流行病になる可能性もある〔"Threatwatch: Mother virus of China's deadly bird flu" New Scientist,31 January 2014 by Debora MacKenzie〕 * 2014年1月、中国政府は、浙江省において「限定的で非継続的なヒト-ヒト感染」がすでに起こっているとした〔鳥インフルエンザ:ヒトからヒト、限定的に感染−−中国 毎日新聞 2014年01月29日東京朝刊〕。 2014年1月10日-20日の間で51人の感染が確認された。10日-16日の間での38人の感染確認はそれまでで最高のペースだった〔New cases put H7N9 pace near last year's peak CIDRAP News Jan 16, 2014〕。意識・技術の高まりなどにより報告や発見が多くなったとする考えられたり、隠れた感染が広がっていると考えられたりしている〔〔「ミネソタ大学感染症情報センターニュース」が取材した専門家は、実態と異なった度合で注目されている、と述べた。世界保健機関の広報担当のGregory Hartlは、H7N9亜型A型インフルエンザウイルスはまだ人間の間で広がるウイルスであるとともに、ヒト-ヒト感染が容易に起こすようには見えない、と述べた(New cases put H7N9 pace near last year's peak | CIDRAP )。〕。1月31日から始まる春節(中国の旧正月)の祝日について、中国の保健当局は都市部の住民が実家に戻ってウイルスを運のではないかという懸念を発表している〔。国連の国際連合食糧農業機関(FAO)は、何百万もの人間が帰省し家禽が家庭でしめられると、春節の祝日の間にヒトの感染はさらに増えるかもしれない、と述べた〔Shanghai Says Medical Worker Dies From H7N9 Bird Flu Infection 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「H7N9鳥インフルエンザの流行」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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