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II型超新星 : ウィキペディア日本語版
II型超新星

II型超新星(Type II supernova)は、大質量の恒星が急速に崩壊して起こす、激しい爆発である。この型の超新星となる恒星の質量は、太陽質量の少なくとも8倍で、40から50倍を超えない範囲である。他の型の超新星とは、スペクトル中の水素の存在で区別される。II型超新星は主に銀河渦状腕HII領域で見られるが、楕円銀河では見られない。
恒星は、元素の核融合によってエネルギーを生み出す。太陽と異なり、大質量の恒星は、水素やヘリウムよりも重い元素を使う核融合もでき、温度と圧力がさらに高くなるのと引き換えに寿命は短くなる。元素の縮退圧と融合反応により産み出されるエネルギーは、重力に打ち勝つほど強く、恒星を崩壊させずに平衡を維持している。恒星は水素やヘリウムから始まって、核でニッケルが作られるまで、徐々に重い元素を融合させるようになる。鉄やニッケルの核融合は正味のエネルギーを生み出さず、そのため融合はこれ以上進行しないため、内部には鉄-ニッケル核が残る。外向きの圧力となるエネルギー放出がなくなるため、平衡は破れる。
核の質量が約1.4太陽質量のチャンドラセカール限界を超えると、電子の縮退圧力だけでは重力に打ち勝つことができず、平衡を維持することができない。数秒以内に激しい爆縮が発生し、外核は光速の23%で内部に落ち込み、内核は1000億Kの温度に達する。逆ベータ崩壊によって中性子ニュートリノが生じ、10秒間の爆発で約1046Jのエネルギーが放出される。崩壊は、中性子縮退によって止まり、反動で外向きの爆発が起こる。この衝撃波のエネルギーは、恒星の周囲の物質を脱出速度以上に加速して超新星爆発が発生し、衝撃波に加え非常に高い温度と圧力によって短時間の間、鉄以上の重さの元素生成が可能となる(宇宙の元素合成)。
II型超新星は、爆発後の光度曲線に基づいていくつかのカテゴリーに分類される。II-L型超新星は爆発後の光度が線形(line)に減少し、II-P型超新星はしばらくは光度の減少が緩やか(plateau)である。Ib・Ic型超新星は、水素(とヘリウム)の外層を失った大質量恒星による核崩壊型の超新星である。
==形成==

太陽より遙かに重い恒星は、複雑な進化の過程をたどる。太陽核では、水素はヘリウムに核融合し、熱エネルギーを発生して、その熱エネルギーは核を温めるとともに外向きの圧力を生じ、静水圧平衡を保っている。核で生じるヘリウムは、核の温度は未だヘリウムの核融合を起こす温度に達していないため、ヘリウムはそこに蓄積する。最終的に核の水素が枯渇すると、融合は遅くなり始め、重力により核は縮退する。縮退により温度は上昇し、恒星の一生の10%未満を占める短いヘリウム融合の期間が始まる。8太陽質量未満の恒星では、ヘリウムの融合によって生成した炭素はそれ以上融合せず、恒星は徐々〔
〕〔
〕に冷たくなって白色矮星となる。白色矮星が近隣に伴星を持てば、Ia型超新星となる場合がある。
しかし、より質量の大きい恒星では、核で炭素がさらに融合できる温度と圧力に達する。このような大質量恒星の核は、より重い元素が中心に近い部分に位置するタマネギのような層構造になる。このような大質量恒星の進化では、核での融合が停止して内向きに崩壊し、温度と圧力が上昇し、融合が再開できるまでに達すると次の段階の融合が開始するという過程を何度も繰り返す〔〔。
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抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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