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371系電車(371けいでんしゃ)は、かつて東海旅客鉄道(JR東海)で運用されていた特急形直流電車である。 御殿場線と小田急電鉄小田原線を相互直通運転するために登場した車両で、JR東海となってから初めて新造された在来線用特急形電車である〔。7両固定編成×1編成のみが製造され、当時の通商産業省より1991年度グッドデザイン商品に選定された〔。 登場以来、同時期に登場した小田急20000形「RSE」とともに特急「あさぎり」に運用された他、静岡地区の「ホームライナー」でも運用されていた〔『鉄道ジャーナル』通巻521号 p.43〕が、2012年(平成24年)3月17日のダイヤ改正をもって「あさぎり」と「ホームライナー」の定期運用から外れた〔〔。以後は臨時列車として運用されていたが、2014年(平成26年)11月30日をもって営業運行を終了し〔、2015年3月20日付で車籍が抹消され、廃系列となった〔『JR電車編成表2015夏』ISBN 9784330569154 p.358。〕。 本項では以下、日本国有鉄道は「国鉄」、東海旅客鉄道は「JR東海」、小田急電鉄は「小田急」、小田急3000形は「SE車」、小田急20000形は「RSE車」、小田急60000形は「MSE車」と表記する。 == 登場の経緯 == 御殿場線では、小田急が1950年(昭和25年)から新宿から直通する準急列車を運行しており〔、御殿場線が電化された1968年(昭和43年)7月以降は8両連接から5両連接に短縮したSE車を使用した連絡急行「あさぎり」として御殿場線に乗り入れていた〔。同時期に国鉄でも東京から東海道本線経由で直通する急行列車として「ごてんば」を165系によって運行していた〔が、所要時間が「あさぎり」と比較して長かったこともあって乗客が定着せず〔、1985年(昭和60年)3月13日限りで廃止されていた。一方、1964年(昭和39年)頃からは乗り入れ区間を沼津まで延長するという要望が出ていた〔が、当時の御殿場線は御殿場から裾野までの約15kmにわたって列車交換設備がなく〔、国鉄の財政的な問題もあって進展を見なかった〔。 国鉄分割民営化後の1988年(昭和63年)7月に、小田急からJR東海に対して車齢30年を超えたSE車の更新について申し入れがあったこと〔や、御殿場線の利用者が増加したことに対応して、1989年(平成元年)に富士岡と岩波の両駅に列車交換設備が新設された〔ことがきっかけとなり、小田急とJRの間で相互直通運転に関する協議が進められることになった〔。この協議の中で、特急に格上げした上で運行区間も沼津 - 新宿間に延長し〔、合わせて2社がそれぞれ新型車両を導入した上で相互直通運転に変更することとなった〔。 この頃のJR東海では、優等列車の車両置き換えによるイメージチェンジと合わせ、イベントや観光開発を推進することで路線の総合改善を図るという手法をとっており〔、すでに高山本線で実績をあげていた〔。御殿場線においても同様に行われ、新しい観光ルートの設定による広域観光の振興〔、既存ルートと合わせた需要喚起〔、赤字路線である御殿場線のイメージアップと活性化〔という期待をかけ、近代的なイメージの車両を送り出すことになった〔。 こうして、「ソフトで洗練されたデザイン」をコンセプトとして〔、小田急との「相互直通運転車両の規格仕様に関する協定書」に基づき〔『鉄道ピクトリアル』通巻829号 p.277〕、基本仕様を同社RSE車と統一した〔車両として登場したのが371系である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「JR東海371系電車」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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