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L型菌 : ウィキペディア日本語版
L型菌[えるかたきん]

L型菌(L-form bacteria)は、細胞壁を持たない細菌の株である。エミー・クラインバーガー=ノーベルが1935年に初めて単離し、勤めていたロンドンのリスター研究所に因んでL型菌と名付けた。
分裂能を持つスフェロプラストであるが元の形態に戻ることもできる不安定型と、元の細菌には戻ることのできない安定型の2種類に分類できる。
マイコプラズマのような寄生種の一部にも細胞壁を欠くものがあるが、細胞壁を持つ細菌に由来しないため、L型菌とは見なされない〔 Full PDF 〕。
==外見と細胞分裂==

細菌の形態は、細胞壁によって決まる。L型菌は細胞壁を持たないため、その形態は、由来する細菌とは異なる。典型的なL型菌は、球型か回転楕円体型である。例えば、棍棒型の枯草菌に由来するL型菌は、位相差顕微鏡透過型電子顕微鏡で観察すると丸く見える。
L型菌は、グラム陽性菌からもグラム陰性菌からも生じるが、グラム染色試験では、L型菌は細胞壁を持たないため、常にグラム陰性菌の色を示す。
細胞壁は細胞分裂にとって重要であり、大部分の細菌では、二分裂で分裂する。この過程は常に細胞壁及びFtsZ等の細胞骨格を必要とする。L型菌がこの両方の構造を持たずに成長や分裂を行うのは非常に独特で、初期の生命の細胞分裂の形態を表していると考えられている〔。この分裂形態は、細胞表面から伸びている細い突起部と関連があるようであり、この突起部は新しい細胞をくびり切る。L型菌では細胞壁がないため、分裂は制御されず、非常に小さいものから非常に大きいものまで、様々な大きさの細胞が生じる。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「L型菌」の詳細全文を読む



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