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MAO阻害薬 : ウィキペディア日本語版
モノアミン酸化酵素阻害薬[-さんかこうそそがいやく]

モノアミン酸化酵素阻害薬(-さんかこうそそがいやく、英:Monoamine oxidase inhibitor:MAOI)は、モノアミン酸化酵素の働きを阻害することによって、モノアミン神経伝達物質として総称される脳内のドーパミンセロトニンのような物質を分解されないようにする薬剤の総称である。MAO阻害薬とも呼ばれる。抗うつ薬抗パーキンソン病薬として用いられる。日本では、過去に抗うつ薬にも使われたが、現在では抗パーキンソン病薬として使われる。国外では抗うつ薬としても使われる。
副作用として、最終的に体内でドーパミンとなる食品中のチラミンとの相互作用によって、致命的な高血圧や重い肝障害が生じる。そのため、食事の管理が徹底される必要がある。また、薬物間の相互作用も同様であり、ドーパミンの放出を促進する薬物には注意が必要である。さらにセロトニンの再取り込みを阻害する多くの抗うつ薬もセロトニン症候群を起こしうる。
モノアミン酸化酵素には、AとBがあり、古典的な抗うつ薬としてのセレギリンはBを阻害するMAO-B阻害剤である。近年、この危険性を改良した可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)という、可逆性MAO-A阻害剤が開発され、が海外で販売されているが、それでもなお危険である。しかし、天然に由来するRIMAであるハルミンは、アヤワスカという幻覚剤の形で南米の原住民に伝統的に用いられてきた。
==歴史==
1950年代には、抗結核薬のを投与された患者に、軽い高揚が見られることに気付かれていた。クラインは、1956年にロックランド州立病院の入院中のうつ病患者や、統合失調症の患者にイプロニアジドを試し、特にうつ病に有効であることを発見し、1957年に論文にて発表した〔。イプロニアジドの肝臓障害の副作用が強かったため、モノアミン酸化酵素阻害薬の抗うつ薬としてや、が開発された〔。
MAOIは、日本では1960年代後半からあまり用いられなくなり、理由としては食品との相互作用や、肝障害、また安易に三環系抗うつ薬と併用されて相互作用による副作用が多発したことが挙げられる〔。
近年では、可逆性モノアミン酸化酵素A阻害薬(RIMA)という、可逆性MAO-A阻害薬が開発された。であり、欧州でオーロリックス、カナダでマネリックスの名で販売されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「モノアミン酸化酵素阻害薬」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Monoamine oxidase inhibitor 」があります。



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