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MIPSアーキテクチャは、ミップス・コンピュータシステムズ(現ミップス・テクノロジーズ)が開発したRISCマイクロプロセッサの命令セット・アーキテクチャ (ISA) である。 == 概要 == MIPSは "Microprocessor without Interlocked Pipeline Stages"(パイプラインのステージに「インターロックされたステージ」が無い、マイクロプロセッサ)に由来しており、当初の設計思想を表していた。 MIPSアーキテクチャは、初期には32ビット幅のレジスタとデータパスを持つ32ビットの構成だったが、後に64ビットになった。MIPSアーキテクチャには下位互換のある複数の命令セットが存在する。それぞれ、MIPS I、MIPS II、MIPS III、MIPS IV、MIPS 32、MIPS 64 と称する。現行版は MIPS 32(32ビット実装)と MIPS 64(64ビット実装)である。MIPS 32 と MIPS 64では命令セットだけでなく制御レジスタについても定義している。 いくつかのアドオン拡張も用意されている。例えば、MIPS-3D は3Dタスクで一般的な処理を行うための浮動小数点SIMD命令のシンプルなセットである。MDMX (MaDMaX) は、より広範な整数SIMD命令セットで、64ビット浮動小数点レジスタを流用する。MIPS16e は命令列を圧縮してプログラム格納域を小さくするための拡張である (ARMアーキテクチャのThumbエンコーディングに対抗したもの) 。MIPS MT は、米インテル社がハイパースレッディング・テクノロジーとして普及させた技術と同等の、マルチスレッディングに適した拡張である。 命令セットが非常にきれいなので、アメリカ合衆国ではコンピュータ・アーキテクチャを学校で教えるときに教材としてMIPSアーキテクチャを使うことが多い。MIPSのデザインは、もうひとつの初期のRISCであるバークレーRISC(:en:Berkeley RISC)と共に、後発のRISCに影響を及ぼした。 MIPSプロセッサはSGIのコンピュータ製品群に使われていた。日本では、ソニーのNEWSや日本電気 (NEC) のEWS4800で使われた。また、米DEC社はごく短期間だけMIPSを使ったワークステーションを製品化していた〔MIPS社のR4000が登場する頃には、DEC社は自社製RISCマイクロプロセッサAlphaを完成させてこれに切り替えた。〕。また、機器組み込み分野で成功し、Windows CE製品、シスコシステムズのルーター、プリンタのエンジンなどに使われた。ゲーム機分野でも成功を収め、NINTENDO64、ソニー・コンピュータエンタテインメントのPlayStation、PlayStation 2、PlayStation PortableでもMIPSアーキテクチャのプロセッサが使われた。1990年代後半、RISCマイクロプロセッサの出荷個数ベースで3分の1がMIPSアーキテクチャの製品だったと見積もられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「MIPSアーキテクチャ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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