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MSコンチン(MS Contin)は、モルヒネの徐放製剤の商品名である。主に疼痛を管理するために用いられる。モルヒネには薬剤以外にも、様々な形状のものがあり、日本では塩野義製薬がムンディファーマ社と提携して、製造、販売を請け負っている。 水分を吸ったモルヒネが徐々に溶け出す、いわゆる徐放作用のある薬剤のため、効果が長く持続し、1日に薬を何度も服用する煩わしさから解放される。その一方で、服用時に噛んだり、あるいは砕いたり割ったりして服用すると、効果があらわれなくなる。 ==概要== ===効果=== 中枢神経系のオピオイド受容体に作用して痛みを抑える効果がある。特に、各種がんの激痛を抑えるのに用いられる〔MSコンチン錠10㎎-効果効能・副作用辞典 [薬検索] All About 〕。元々がんの痛みを抑えるには、モルヒネの粉薬や水薬があるが、これらは効き目は速いものの効果が持続せず、従って患者は1日に何度も薬を服用しなければならなかった。これが負担となる患者もいたため、平成元年(1989年)になって、モルヒネがゆっくりと溶け出す(徐放作用)MSコンチン錠が登場した。現在では、モルヒネがそれぞれ10ミリグラム、30ミリグラム、または60ミリグラムの3種類がある。構造上はスポンジ状の目の中にモルヒネが詰まっており、水分を吸収すると、モルヒネが時間をかけて溶け出すようになっている。そのため、服用から効果が表れるまでに1時間から1時間半ほど時間がかかる。血中濃度が最高になるのは3時間ほど経ってからである。また、効果の持続時間は約8時間から12時間となっており、その感覚に合わせて、1日2回12時間ごと、もしくは1日3回8時間ごとと時間決めで服用することによって、痛みのない状態を保つことができる。割ったり砕いたりすると効き目がなくなるので、飲み物と共にかまずに服用する必要がある〔痛み止めQ&A:がん情報サービス 国立がん研究センターがん対策情報センター〕。 中枢神経系や末梢神経系に分布するオピオイド受容体は、痛みの神経伝達経路を抑制への方向に調整する。つまり、オピオイド受容体が刺激を受けた場合、痛みを伝える神経の侵害刺激伝達が直接抑制されることになり、また、別の神経系統の下行性抑制系神経を介して間接的にも痛みが抑えられる。MSコンチンはオピオイド受容体と結合することで、鎮痛効果を発揮する。オピオイド受容体には何種類かがあるが、鎮痛にかかわるのは、おもにμ(ミュー)受容体、次いでκ(カッパ)受容体で、MSコンチンは、この2つを含めすべての受容体を活性させる。モルヒネを有効成分とするオピオイドの中でも、とりわけ強力な麻薬系の強オピオイド鎮痛薬で、有効限界のない薬(完全作動薬)とされるため、用量が増加するに従って作用も強くなる。WHO方式がん疼痛治療法では第3段階で、中等度から高度の疼痛に効果がある。 MSコンチン以外にも、カディアンスティック及びカプセル、オプソ内服液粒120mg、モルヒネ塩酸塩錠、MSツワイスロンカプセル、モルペス細粒などの薬剤がある〔。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「MSコンチン」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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