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N-1ロケット : ウィキペディア日本語版
N-1[えぬ1]

N-1ロシア語:エーヌ・アヂーン)は、にソ連人の宇宙飛行士を送るように造られたソビエト連邦ロケットである。全長、約100メートル。アメリカのサターンVロケットに匹敵する大きなロケットで、低軌道に95トンものペイロードを投入できるよう設計された。しかしながら、4回の試験打ち上げすべてに失敗し、実用化のめどが立たないまま1974年に計画は放棄された。''エーヌ・アヂーン)は、にソ連人の宇宙飛行士を送るように造られたソビエト連邦ロケットである。全長、約100メートル。アメリカのサターンVロケットに匹敵する大きなロケットで、低軌道に95トンものペイロードを投入できるよう設計された。しかしながら、4回の試験打ち上げすべてに失敗し、実用化のめどが立たないまま1974年に計画は放棄された。
== 概要 ==
N-1の開発は火星への有人宇宙飛行宇宙ステーション、大型軍事衛星の打上げのために1956年から始まった。米国1961年に有人月面着陸の目的を発表した後1964年に、N-1はこの目的に転換した。しかし、予算が十分に供給されなかったため、計画は成功に至らなかった。
他のソ連製宇宙ロケット同様、小型のロケットエンジンを多数束ねる事で大きな推力を得るクラスターロケット方式を採っているが、N-1の第一段ではその数は30基にも及び、それらを同期制御する事が技術上の最大の課題であった。現在の技術をもってしても、それだけの数のロケットエンジンの同期制御はきわめて困難である。
N-1では多数のエンジンを制御するためにKORDシステムが開発された。ひとつのエンジンが停止すると自動的に中心軸を挟んで反対側のエンジンを停止してバランスをとると共に、他のエンジンの燃焼時間を延長して性能を確保する制御システムで、4つのエンジンが停止しても対応できるようになっていた。さらに外周の24基のエンジンの一部は機体の鉛直軸に対して右や左に軸をずらし、角度をつけて装着された。これらのエンジンの出力を調整することでロール回転のコントロールも可能であった。ただし3号機(N-1/6L)ではこのシステムでも制御しきれないロール回転が発生したため、後にステアリングエンジンを追加した。
テストのための資金不足と技術的困難のため、四回行われたテスト飛行のうち、N-1が成功したことは一度もなかった。テスト飛行は全て第一段の分離の前で失敗した。最も長い飛行は107秒で、第一段の分離直前で爆発した。テスト飛行は、最初の2回が1969年、3回目は1971年で、最後の飛行は1972年に行われた。
1974年5月にソ連の有人月着陸計画(L3計画)は中止され、これに続いてN-1の開発も同年8月に放棄された。更なるテスト飛行準備に備えて用意していた2機のN-1Fは廃棄され、残骸は避難所及び貯蔵小屋として使用された。N-1F用のエンジンであるNK-33は破棄されるはずであったが、放射性廃棄物のカバーをかけて破棄されずに残っていたものが発見され、試運転の結果、まだ動くのみならず、良好な性能を示したため、2005年民間のロケット開発で使用されることになった。このエンジンを再利用する計画は予定よりも遅れたが、2013年にこのエンジン2基を1段に使用するアンタレスロケットが打ち上げられ、商業利用が開始された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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英語版ウィキペディアに対照対訳語「 N1 (rocket) 」があります。



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