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OZ方程式 : ウィキペディア日本語版
オルンシュタイン・ゼルニケ方程式[おるんしゅたいん ぜるにけほうていしき]
オルンシュタイン・ゼルニケ方程式(オルンシュタイン・ゼルニケほうていしき、, OZ方程式)とは、統計力学において、を定める積分方程式の一つである。基本的には、2分子間のがどのように計算されるかを記述する。主に液体理論の分野に応用されている。この名称は2人の物理学者とフリッツ・ゼルニケの名に由来する。
== 導出 ==
以下の導出は、実際には発見的手法である。厳密な導出には膨大なグラフ解析または関数的技巧が要求される。全導出については文献〔Frisch, H. & Lebowitz J.L. ''The Equilibrium Theory of Classical Fluids'' (New York: Benjamin, 1964)〕を参照のこと。
次のように全相関関数を定義すると便利である。
: h(r_)=g(r_)-1 \,
これは分子1が、距離r_離れた分子2に対し、動径分布関数g(r_)をもって及ぼす「影響」の度合いである。1914年にオルンシュタインとゼルニケは〔 Ornstein, L. S. and Zernike, F. Accidental deviations of density and opalescence at the critical point of a single substance. Proc. Acad. Sci. Amsterdam 1914, 17, 793-806〕、この影響を2つの寄与、すなわち直接的な部分と間接的な部分とに分けることを提案した。直接的な寄与は直接相関関数によって与えられると''定められ''、c(r_)で示される。間接的な部分は分子1から新たな分子(分子3)への影響によるものであり、そして分子3は分子2に直接的および間接的な影響を与える。間接的な効果は密度によって重み付けされ、分子3がとりうるすべての位置について平均される。この分解は数学的には次のように記述される。
: h(r_)=c(r_) + \rho \int d \mathbf_ c(r_)h(r_) \,
これがオルンシュタイン・ゼルニケ方程式と呼ばれている。興味深いのは、間接的影響の除去によって、c(r)h(r)よりも短距離的になっており、より簡単に記述することが可能となっている点である。OZ方程式は次のような興味深い性質を持っている。すなわち、方程式全体に\mathbf\equiv |\mathbf_-\mathbf_|であるe^を掛け、d \mathbf_d \mathbf_で積分することによって、次の式を得る。
: \int d \mathbf_ d \mathbf_ h(r_)e^=\int d \mathbf_ d \mathbf_ c(r_)e^ + \rho \int d \mathbf_ d \mathbf_ d \mathbf_ c(r_)e^h(r_). \,
h(r), c(r)フーリエ変換をそれぞれ\hat(\mathbf), \hat(\mathbf)と表せば、先の式は次のように書き直すことができる。
: \hat(\mathbf)=\hat(\mathbf) + \rho \hat(\mathbf)\hat(\mathbf) \,
この式を整理して、次の表式を得る。
: \hat(\mathbf)=\frac \,\,\,\,\,\,\, \hat(\mathbf)=\frac. \,
h(r)c(r)(あるいは、等価であるが、各々のフーリエ変換)の両方を同時に解くためには、もう一つ別の方程式を必要とする。そのような方程式は関係と呼ばれている。OZ方程式は、形式的には、全相関関数h(r)による直接相関関数c(r)の定義、とみることもできる。研究対象の系の詳細(特に相互作用ポテンシャルの形状u(r))は閉包関係の選択において考慮される。一般的に用いられる閉包関係はである。これは侵入できない中心部を持つ粒子によく適合している。もう一つよく用いられる閉包関係にがあり、「より柔らかい」ポテンシャルに広く用いられる。さらなる情報については文献〔D.A. McQuarrie, Statistical Mechanics (Harper Collins Publishers) 1976〕を参照のこと。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「オルンシュタイン・ゼルニケ方程式」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Ornstein-Zernike equation 」があります。



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