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Q資料 : ウィキペディア日本語版
Q資料[きゅうしりょう]
Q資料(きゅうしりょう)とは、新約聖書の『マタイによる福音書』および『ルカによる福音書』の執筆の際に両福音書に共通の源泉となったと考えられる''イエス''の言葉資料であり、仮説上の資料である。
== 概略 ==
Q資料はイエスの語録集、または語録集に簡単な枠を付けたものであると想定されている。
19世紀以降、ドイツ、スイスを中心とするドイツ語圏の大学神学部の研究者たちによって、共観福音書に対する歴史的批判的な研究が盛んになった。その結果、マタイとマルコの両福音書の共通点は、一方が他方を省略したなどというものではなく、両者が同じ資料をもとに書かれたことに由来するという見解が有力視されるようになった。さらにルカ福音書との比較研究により、マルコには収録されていないが、マタイとルカには共通して収録されているイエスの言葉の存在が指摘され、このマタイとルカに共通のイエスの語録資料を、ドイツ語で「資料」を意味する言葉の頭文字をとって「Q資料」と呼ぶようになった。
後述するように、Q資料仮説は現在ではカトリックの聖書学者にも支持する者があり、学界で広く受け入れられている学説のひとつである〔少数ながら、『トマスによる福音書』をQ資料と仮定する学者も存在する。〕。しかし、Q資料そのものと同定される文献は、断片も含めいまだに発見されておらず、その存在を疑問視する学者も存在している。
古代教父たちもその存在に言及していないため、もしQ資料が実在したという仮説が事実であるとすれば、極めて早い段階で消失したということになる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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