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求核置換反応(きゅうかくちかんはんのう)とは、反応の中心となる求電子剤に対して求核剤が求核攻撃し、脱離基が脱離する反応。求核置換反応の生成物は、求電子剤と求核剤の結合物と脱離した脱離基である。 本項目では、脂肪族炭素上における求核置換反応を扱う。sp3炭素上の置換反応の場合、反応の形態によって SN2反応 と SN1反応 などが知られる。芳香族炭素上の反応は芳香族求核置換反応を、カルボン酸誘導体の置換反応は求核アシル置換反応を参照のこと。 == SN2反応 == SN2反応は、求核試薬が炭素原子に対して、脱離基の背面から攻撃することで反応が始まる。 これにより中心の炭素は求核剤、脱離基が同軸方向にある三方両錘型の遷移状態となり、ここから脱離基が抜けることで反応が終了する。このため、生成物の立体化学は反転する(このことをワルデン反転という)。この機構は IUPAC命名法では ANDN と表記される。 : 2008年に Wester らは ヨードメタンと塩化物イオンとの反応を気相中で衝突させる実験を通し、上式の機構を支持する結果を報告した。さらに彼らは両化学種を高いエネルギーで衝突させたとき、ヨードメタンの分子が衝突から置換の間に1回転する "roundabout" 機構が併発することを示す実験結果を、計算による解析と合わせて報告した〔Mikosch, J.; Trippel, S.; Eichhorn, C.; Otto, R.; Lourderaj, U.; Zhang, J. X.; Hase, W. L.; Weidemüller, M.; Wester, R. ''Science'' 2008, ''319'', 183-186. DOI: 10.1126/science.1150238 〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「求核置換反応」の詳細全文を読む 英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Nucleophilic substitution 」があります。 スポンサード リンク
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