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Sガンダム(スペリオルガンダム、SUPERIOR GUNDAM)は、「ガンダムシリーズ」に登場する架空の兵器。有人操縦式の人型ロボット兵器「モビルスーツ」(MS)の一つ。初出は、1987年から1990年まで『モデルグラフィックス』誌上で連載されていた小説・フォトストーリー『ガンダム・センチネル』。 作中の登場勢力の一つ「地球連邦軍」の試作機で、『機動戦士ガンダムΖΖ』の主役機「ΖΖガンダム」と同時期に開発された可変MS(TMS)。ΖΖガンダムと同じく機体を3機の航空機として分離・運用することが可能で、各種オプションパーツを追加・換装した複数の形態を持つ。制御系に特殊な人工知能を搭載しており、無人機としての運用も可能とされている。劇中では「α任務部隊」に配属された「リョウ・ルーツ」がメインパイロットを務め、連邦軍を離反した者たちで結成された敵勢力「ニューディサイズ」と戦う。 メカニックデザインはカトキハジメ(『センチネル』連載当時は「かときはじめ」)。 本来は表音表記そのまま「スペリオルガンダム」が正式な表記であるが、プラモデル化にあたり「スペリオル」が既存の商標と抵触するため、接頭語をスペルの頭文字のみに略した「Sガンダム」(エスガンダム)が商品名となった〔『ガンダム・センチネル』124頁。〕。これ以降は、紙媒体上の活字でももっぱら「Sガンダム」という略記に「スペリオルガンダム」の読みをあてるようになった。 == 機体解説 == アナハイム・エレクトロニクス社がΖ計画における究極のガンダムを目指して開発した、第4世代MSに分類される機体。開発当初のコードネームは「ι(イオタ)ガンダム」。ΖΖガンダムと同時開発〔『ガンダム・センチネル』135頁。〕〔ホビージャパン「機動戦士ガンダム ガンダムウェポンズ ニュージェネレーション編」30頁。〕〔プラモデル「マスターグレード Sガンダム」取扱説明書より。〕とも再設計機〔バンダイ『機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.3アクシズ戦争編』95頁。〕〔バンダイ『機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.8SPECIALガンダム大鑑』94頁。〕ともいわれている。 SガンダムはMSとしても高性能な機体ではあったが、その開発目標とは、既存のMS・兵器体系を凌駕する複合兵装システムの構築であり、その中核としてGコアおよびMSとしてSガンダムは想定されている。また、Sガンダムは自律制御システムALICEを搭載しており、無人MS構想の試験機としても運用することになっていた。 Sガンダムは連邦正規軍へと配備される予定だったが、無人MSの普及を恐れた反対派による妨害工作によりALICEの開発は中断に追い込まれ、一度は採用を見送られることになる。だが、その後のティターンズ崩壊時に急遽編成されたα任務部隊への配備が決定し実戦投入された。この時の技術部の報告によれば、ALICEは封印されたことになっていたが、実際には封印は行われなかった。この事実を察知した者は、α任務部隊の中ではストール・マニングスとイートン・ヒースロウのみである。 ΖΖガンダムが分離・合体機構を備えつつも、あくまで単体のMSとして完結した機体なのに対し、Sガンダムはコア・ブロックを中核とし、複数のオプションを追加することでその機能を特化・拡張させることが可能な、壮大な兵器体系の一端として設計されている。コア・ブロック・システムの採用や、機体を3分割しての独立運用を可能とするシステムなど、ΖΖガンダムと機体構成の面では共通する点があるが、その設計思想は根本的に異なる。 設計段階より強化バックパックや増加ブースターを始めとする多様なオプションが用意されており、増加パーツとのマッチングは良好なものとなっている。AパーツおよびBパーツには各々に専用のコクピットが設けられ、分離稼動時に制御ユニットとしてのコア・ブロックを必要とせず、単機の戦闘単位として完結している。 Sガンダムでは変形システムがΖガンダムから刷新され、巡航形態への変形には強化パーツを用いる方式を採用した。強化パーツを装着した形態はEx-Sガンダムと呼ばれ、巡航形態「Gクルーザー」への変形が可能である。ただし、ノーマル状態でのGクルーザーへの変形はできない。A・Bパーツへの分離は可能。合体についてはGコアコックピット内にΖΖガンダムと同様の合体用のレバーが用意され、それぞれの機体から合体用ガイドビームも出ることから機能自体は用意されているようであるが、戦闘中の合体は想定されていない。劇中において、戦術決定ディスプレイの優先順位1位に「合体」の文字が表示されたときには、パイロットは冗談か戦術コンピュータが壊れたと捉えた。 MSモード時には全ての制御系がコクピット・ブロックに集約され、フレームへの接合強度も脱出時ユニット構成が最優先に設定されている。緊急時にはコア・ブロックごと結合状態のまま爆裂ボルトによって射出され、オートで母艦へと帰還する他、大気圏再突入も可能であり、パイロットの生存性が高められている。コア・ブロックの他に、A・Bパーツのコクピットにもパイロットを搭乗させることで、各パイロットによる操縦・火器管制・索敵の役割分担が可能。操縦システムは新開発のアーム・レイカーの導入〔ムック『ガンダム・センチネル』147頁。〕、およびサポートシステムにより、機体操作が大幅に簡便化されているが、それでも通常のパイロットによる操縦は困難であり、各種兵装はコンピューターの制御によるフルオートマチックに設定されている。状況に応じて、管制システムが最適と判断した兵装がコクピット・ディスプレイに優先順位付きで表示され、視線入力による操作で兵装選択が可能。照準、発射タイミング等、一連の攻撃シークエンスは全て火器管制システムが最適値を算出し、パイロットがただトリガーボタンを押すだけで、標的に対し自動的に砲撃が開始される。 Sガンダムは機体操作の大部分をコンピューターに一任することで、ニュータイプ専用機にも匹敵する性能を実現している。サイコミュのようなパイロットの資質に依存したインターフェースを用いることなく、技量の未熟なパイロットであってもベテラン以上の戦闘能力を発揮することが可能となっている。この点でSガンダムは兵器として評価が非常に高く、高性能の管制コンピューターやコア・ブロックの自動脱出システムと併せ、パイロットの安全性を重視した連邦系MSのコンセプトを体現する機体であると言える。 また、Sガンダムのムーバブルフレームには、MSの骨格としての役割以外の機能をも備わっている。これは、合体・変形機構を有し、また壮大な兵器体系を構築するシステムの、文字通り骨格といえる構造であり、機体の基本コンセプトにとって不可欠な要素である。一般的なMSでは、大きなストレス部位にはモノコック、あるいはセミ・モノコック構造を採用する例が存在するが、Sガンダムの可動部位の大部分はこの多機能なムーバブルフレームによって構成されており、それらは全て実用レベルに達し、ユニット換装や各オプションの装着は、ほぼ無改造で容易に行える。 しかし、機体システムの複雑化および製造コストの高騰化も極限に達していた。MSとしては高性能だったが、運用性は著しく低下しており、保守的な連邦上層部の評価は芳しいものではなかった。これ以後のアナハイム製ガンダムは、これまで辿ってきた多機能化の流れとは逆行する、シンプルで信頼性の高い機体コンセプトへとシフトしていくことになる。 Sガンダムは4機が製作され〔『GUNDAM FIX FIGURATION 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「Sガンダム」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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