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TATA結合タンパク質(ターターけつごうタンパクしつ、、TBP)とは、TATAボックスと呼ばれるDNA配列に特に結合する基本転写因子のことである。このDNA配列は一部の真核生物の遺伝子のプロモーター領域において転写開始位置の約25塩基対上流で見つかっている。TBPは、様々なTBPに関連した因子とともにRNAポリメラーゼII転写開始前複合体を作り上げる基本転写因子であるTFIIDを作り上げる。特有のDNA配列に結合する転写開始前複合体である数少ないタンパク質の1つとして、RNAポリメラーゼIIが遺伝子の転写開始位置に結合する助けとなる。しかしながら、ヒトのプロモーター領域の10-20%にしかTATAボックスが存在しないと考えられている。それゆえ、TBPはRNAポリメラーゼIIの位置決定のみに必要とされているのではないと考えられている。 TBPはDNAを80°折り曲げることで二本鎖DNAを解離することに関与している(多くのA-T間の結合はより容易にほどける)。TBPはβシートによる数少ない溝に結合するという点で、特異なタンパク質である。 TBPのもう1つの特異な特徴は、タンパク質のN末端における長いグルタミンの連続である。この領域がC末端のDNAへの結合の活性を調節しており、この調節が転写複合体 (transcription complex) 形成と転写開始に影響を与えている。このポリグルタミン領域をコードするCAGの繰り返しの数が多くなり、結果、ポリグルタミン鎖が伸長する変異は、神経変性である脊髄小脳失調症17型 (SCA17) に関係している。 ==転写因子の構成要素としての役割== TBPは真核生物の転写因子であるTFIIDのサブユニットである。 TFIIDはRNAポリメラーゼIIの転写開始前複合体形成の過程において最初にDNAと結合するタンパク質である。TFIIDの遺伝子のプロモーター領域に存在するTATAボックスへの結合は、RNAポリメラーゼIIが転写を行うために必要なほかの因子の補充を開始させる〔 Bruce Alberts,Alexander Johnson,Julian Lewis,Martin Raff,Keith Roberts,Peter Walter著 中村桂子,松原謙一監訳,青山聖子,滋賀陽子,滝田侑子,中塚公子,羽田裕子,宮下悦子翻訳 2010年 細胞の分子生物学 ニュートンプレス pp340-342 ISBN978-4-315-51867-2 〕。その補充された転写因子にはTFIIAやTFIIB、TFIIFも含まれている。それぞれの転写因子は多くのタンパク質のサブユニットの相互作用により形成されており、このことは、転写というものが非常に統制されたプロセスであることを示している。 TBPはRNAポリメラーゼIやRNAポリメラーゼIIIにとってもまた必要な要素であり、また、TBPが3つのRNAポリメラーゼ全てに必要な唯一のサブユニットであると考えられている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「TATA結合タンパク質」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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