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くじら座タウ星e[くじら]
くじら座τ星e(くじら座タウ星e、Tau Cetus e)とは、地球から見てくじら座の方向に約11.9光年離れた位置にある太陽と似た単独の恒星くじら座τ星を公転する太陽系外惑星である〔。くじら座τ星系の中で、恒星から4番目に近いところを公転している〔〔〔〔〔。生命がいる可能性のある惑星では地球に最も近い距離にある〔。 == 発見 == くじら座τ星eは、くじら座τ星系にある他の4つの惑星と共にMikko Tuomiらイギリス、アメリカ、チリ、オーストラリアの共同研究チームによって2012年に発見された。発見の成果は同年12月18日に発表された〔。惑星を複数個持つ恒星はこれまでグリーゼ876の15.3光年が最も近い惑星系であったが、くじらτ星はこの記録を更新した。 くじら座τ星eは、惑星の公転によって恒星の位置がわずかながらずれ、それが恒星から放出される光の波長にドップラー効果を起こすドップラー分光法によって発見された。この手法は古典的であるが、しかし、くじら座τ星eは非常に軽い惑星であるため、影響は非常に小さい。実際、従来の観測手法においては、くじら座τ星系の惑星はくじら座τ星b、c、dまでしか発見できなかった。しかし発見したチームは、観測データからノイズを上手く除去する方法を確立し、ノイズの中からeとfを示す信号を発見することに成功した〔〔〔。それは、検出された信号に仮の惑星を配置することで、どのような影響があるかを仮定してノイズを差し引きし、見つける方法である。この方法で惑星を発見した成果は、他の惑星系の既存のデータから未知の惑星を発見する手法を確立したことを示す〔。この手法が本当に使えるのかを確かめる対象としてくじら座τ星が選ばれた。なぜなら、くじら座τ星は過去14年間の観測では惑星が発見できなかったためである〔。1998年からの観測で、2012年に5個の惑星が発見されるまでは、木星と等しいかそれより近い軌道にある木星質量と等しいかそれ以上の質量を持つ惑星は、ドップラー分光法では見つかっていなかった〔The planet search program at the ESO Coude Echelle spectrometer. III. The complete Long Camera survey results ''arXiv'' 〕〔A search for substellar companions to solar-type stars ''Astronomy Abstract Service'' 〕〔A search for Jupiter-mass companions to nearby stars. ''Astronomy Abstract Service'' 〕。また、ハッブル宇宙望遠鏡による直接観測でも遠い軌道に惑星は見つかっていなかった〔A Search for Faint Companions to Nearby Stars Using the Wide Field Planetary Camera 2 ''Astronomy Abstract Service'' 〕。実際、くじら座τ星eが及ぼす影響は秒速58cmと極めて小さく、これはケンタウルス座α星Bbの秒速51cmに次いで小さな値である〔〔ただし、ケンタウルス座α星Bbは存在しない可能性が高い。〕。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「くじら座タウ星e」の詳細全文を読む
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