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すす : ウィキペディア日本語版
すす
すす(煤)は、有機物不完全燃焼を起こして生じる炭素微粒子や、建築物天井などに溜まるきめの細かいホコリのことである。
概ね過去の生活様式となったが、室内の照明油脂ロウソクを使用したり、暖房囲炉裏暖炉を使うことで、すすが室内に溜まるのが日常であった。今でもこうした照明を用いる寺院教会では、すすが発生している。また、燃焼に伴う中の微粒子だけに限らず、室内に溜まる細かな粒子状の汚れを指してすすと呼ぶことがある。
すすの実体は詳しくは解明されていない。すすは物質としては黒鉛に近いが、薄膜状にならず、微細な粒子が多数寄り集まって構成されているのが判っている。
== 物理 ==

=== 生成機構 ===
燃焼によって生じるすすは、燃料の熱分解過程で酸素が不足していたことを物語っており、燃焼ガス中で油滴や微粉炭中の残炭分が重合して未燃のまま排出される。すすの多くが炭素原子から構成されていることが判っており、他にも1 - 3 %程の水素を含み、また、燃料の純度が劣る場合には分を多く含む。
すすの生成機構の最初の分子レベルでの初期状態に関して、主に3つの説が存在する。
# 多環芳香族炭化水素(Polynuclear aromatic hydrocarbon, PAH)を経由して生成される
# アセチレンを経由して生成される
# C3H3+やCHO+のような炭化水素イオンを経由して生成される
当初は電荷を帯びた巨大分子だったものが電気的に引き合うことで凝縮し、ごく微細な液体状や固体状となった粒子同士が衝突と合体を繰り返しながら、脱水素反応を起こして数nm-数十nm程度の固体の球状粒子に成長してゆく。球状粒子の状態で酸化されることもある。この球状粒子は電荷によって数珠繋ぎになり、やがてぶどうの房状に集まって数十nm-数百nm程度の大きさの凝集体を作り上げる。この凝集体は、互いの煙路や排気経路付近に堆積することでさらに大きな粒子の煤煙となる〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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