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ずっこけ3人組 : ウィキペディア日本語版
ズッコケ三人組[ずっこけさんにんぐみ]


ズッコケ三人組(ズッコケさんにんぐみ)は、那須正幹原作児童文学シリーズ。及びその主人公である3人の渾名(トリオ名)。
== 概要 ==
中国地方にある町である稲穂県ミドリ市花山町(モデルは広島県広島市こちらを参照 )を舞台に、ハチベエ(八谷良平)・ハカセ(山中正太郎)・モーちゃん(奥田三吉)の3人の小学6年生を中心に物語が展開され、様々なテーマで描かれている。何度もテレビアニメ化やテレビドラマ化がされているほか、映画化やOVA化もされている。
本来は『ずっこけ三銃士』の題名で『6年の学習』(学習研究社)の1976年4月号から1977年3月号に連載されていた。この時の最終回『さよなら三銃士』で3人組は小学校の卒業式を迎えているが、後にこの作品が現行の題名に改められてシリーズ化されたため『さよなら三銃士』は単行本に収録されず、幻のエピソードとなった。後に『さよなら三銃士』は石井直人宮川健郎編『ズッコケ三人組の大研究II』(ポプラ社2000年)に参考資料として収録された。
那須は、処女作で学研児童文学賞を受賞した『首なし地ぞうの宝』(1972年)で、すでに小学生三人組を主人公としている。1978年に刊行が開始されたこのシリーズが、那須の代表作かつライフワークとなっていく。
は第1作から第25作までは、漫画家前川かずおが担当したが、1992年7月〔前川の発病入院の時期を坂井は『ズッコケ三人組の大研究ファイナル』の中で1992年7月としているが、那須は『ズッコケ三人組の大研究II』のp.8やp.278で1991年6月としている。〕に前川が白血病で倒れたため、第26作『ズッコケ三人組対怪盗X』以降は高橋信也が挿絵を担当した。第26作以降の表紙には「前川かずお・原画、高橋信也・作画」と記載されている。
2004年12月、シリーズ最終巻となる50冊目『ズッコケ三人組の卒業式』が発行され、本編は完結した。シリーズを終えた理由として、「私の作品と、現在の子供たちとの間に溝を感じたから」と那須は述べている。
2005年12月、40歳になったズッコケ三人組が主人公の番外編『ズッコケ中年三人組』が発行された。なお上述のシリーズ完結理由のため、同作は児童書ではなく一般書としての販売〔ただし書店によっては「ズッコケ三人組シリーズの続編」という扱いをして児童書コーナーに置いているケースもある〕とされており、語られている内容も(時を置かずしてシリーズ移行購読した読者のために、いくぶん噛み砕かれてはいるものの)児童書に適したものではなくなっている場合がある。ただし、その分『ズッコケ三人組』よりも幅広いテーマ〔一般においても結論が出ていない、好悪や善悪の判断が微妙となるグレーゾーン時事問題や、生命生理および倫理に関する問題など〕を扱う事に成功したため、ズッコケ三人組のリアルタイム購読世代を中心に売れ行きが予想以上に良く好評を博した。結果として同作もシリーズ化が決定し、1年間に1冊のペースで毎年12月に刊行されている。なお作品で扱うテーマについては、作中でハカセが調べた内容をかいつまんで説明するなどして、作中で判りやすく解説しており、新たな知識が得られる面白さもある。ただし前述の通り、このシリーズは一般書であるため本来の『ズッコケ三人組』シリーズの購読層である年少者が読む場合は内容の読み取りに関して親による注意注釈が望ましいとされる場合がある。詳細については同作の項目を参照のこと。
2007年10月現在の累計発行部数は2300万部(文庫本を含む)。
文化祭修学旅行運動会など学校行事をテーマにした作品もあれば、タイムトラベルポルターガイスト現象宇宙人との遭遇などの非現実的な題材もある。
一話完結が原則であり、どの巻からでも読めるが、怪盗Xシリーズ(『ズッコケ三人組対怪盗X』『ズッコケ怪盗Xの再挑戦』『ズッコケ怪盗X最後の戦い』、下記参照)を初めリンクしている部分も多数ある。しかし、毎回出版年における社会情勢や学校制度の変化などを反映しているため、時代背景に矛盾が多々ある。夏休みや修学旅行のエピソードが複数回あったり、同じ年度の出来事としては矛盾が生じることもある。作者は『銭形平次 捕物控』と『次郎物語』を対比させて、『銭形平次』式でいくことを初期のあとがきで書いている。なお最終巻では「夏休みが何回もあった気がする」「20年は小学生だった」とネタにした台詞がみられた。
2009年4月11日JR山陽本線西広島駅前に三人組の石像が建立され、作者やファンクラブ会長を招いての除幕式が執り行われた。また、モデルとなった場所には作品中の描写と那須のコメントを記したプレートが設置されている。因みに、この石像のモーちゃんの腹に触ると恋が叶うという噂がある。
2015年12月にズッコケ中年三人組シリーズの完結編として『ズッコケ熟年三人組』が上梓され、同シリーズを含めた上での「ズッコケ三人組シリーズ」の完全完結が、同作の後書きでアナウンスされた。〔『ズッコケ熟年三人組』p.234〕
三人組のモデルとなった人物は、ハチベエが吉本直志郎、ハカセは作者自身、モーちゃんは広島で本屋をやっている同級生だと作者は語っている〔那須正幹「解説/川村たかし」『とびだせズッコケ事件記者』ポプラ社〈ズッコケ文庫 Z-7〉、1986年3月、ISBN 4-591-02255-2、221頁。 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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