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ずんだは、枝豆(未成熟な大豆)またはそら豆をすりつぶして作る緑色のペーストのこと。「づんだ」「じんだ」「じんだん」「ヌタ」とも呼ばれる(以下、「ずんだ」を用いる)。北東北南部の秋田県・横手盆地や岩手県南部、南東北の宮城県・山形県・福島県、および、北関東の栃木県北西部において郷土料理に用いられる。 甘味のずんだ餅、あるいは、塩味の和え物として利用するのが伝統的である。近年、さまざまなずんだ料理や新製品の開発が進み、甘味のものはずんだスイーツと括られるようになってきた。さらに、塩味のスナック菓子や料理にも使われ、ひとつの料理のジャンルと化して来ている。 うぐいす餡と似ているが上述のようにずんだが原料に枝豆を使うのに対して、うぐいす餡は青エンドウを使う点で異なる。 == 概要 == ずんだの元となる青ばた豆は夏に収穫されるため、ずんだは季節料理、特にずんだ餅はお盆のお供えとして認識されている面もある。その鮮やかな緑色は、ずんだを食する地域では風物詩でもある。例えば、仙台においてずんだ餅を販売する店は仙台七夕あたりからお盆までが繁忙期であり、年間のずんだ餅販売数の約半分をこの時期に売り上げる店もある。 現在は、冷凍技術の発達から、冷凍食品の枝豆を用いて年中家庭や食品工場でずんだを作ることが出来るようになっている。また、業務用に通年入手可能なずんだ餡や枝豆ペーストがすでに開発されていたが、2008年(平成20年)になり、お湯を注ぐとずんだ餡に戻る粉末が山形県で開発され〔お湯注ぐと「ずんだあん」に 米沢の「おたまや」が新商品 (山形新聞 2008年8月16日)〕、さらに、真空条件下で枝豆のペーストやジャムを生産する技術が宮城県で開発される〔「ずんだ」真空加工でジャムなどに 色や風味長持ち (河北新報 2008年10月10日)〕など、これら画期的な技術開発によりずんだ業界に変革がもたらされると期待されている。 近年、あずき餡や抹茶粉末と同様に、和菓子に限らず洋菓子にもずんだを用いる試みが行われており、ずんだスイーツと呼ばれるジャンルが形成されてきている。他方、塩味のずんだ料理の開発も進んでいる。さらに仙台市では、ずんだ餡に黒豆と竹炭を加え、もちにも黒米を加えて作られた黒色のずんだ餅が開発され、「ずんだは緑色」との既成概念を崩す試みがなされている〔黒ずんだもち (餅処 おもちのきもち)〕。これは、ずんだ独特の青臭さを苦手とする人にも、ずんだを食してもらうための試みでもある〔仙台の「黒ずんだもち」話題に-地元和菓子店が考案、仙台名物目指す (仙台経済新聞 2009年4月9日)〕。 一方、山形県・庄内地方の「だだちゃ豆」や宮城県の「仙台ちゃ豆」など、特産の枝豆をずんだに用いて、製品の差別化を狙う動きも見られる〔夏は「ちゃ豆」スイーツ カウ・ベル、県の依頼受け開発 (河北新報 2009年8月6日)〕。 ずんだが食される地域にはずんだを看板メニューにした餅店や和菓子店などがあり、土産品としての商品開発も活発である。2001年(平成13年)12月からは、萩の月で著名な菓匠三全がずんだスイーツ専門店の「ずんだ茶寮」を仙台圏や首都圏の駅・空港・百貨店に展開するようになり〔あゆみ (菓匠三全)〕、全国発信をしている。また、2015年(平成27年)12月4日には、JR仙台駅にずんだを販売する専門店を集めた「ずんだ小径」が開設された〔(東日本旅客鉄道株式会社仙台支社)〕。ずんだのイベントとして、宮城県角田市・角田駅前広場で10月上旬頃に開催される「角田ずんだまつり」が2003年(平成15年)から開催されている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ずんだ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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