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『それから』は、夏目漱石の小説。1909年6月27日より10月4日まで、東京朝日新聞・大阪朝日新聞に連載。翌年1月に春陽堂より刊行〔三好行雄「それから 」日本大百科全書(小学館)、Yahoo!百科事典 〕。『三四郎』(1908年)・『それから』(1909年)・『門』(1910年)によって前期三部作をなす。 定職に就かず、毎月1回、本家にもらいに行く金で裕福な生活を送る長井代助が、友人平岡常次郎の妻である三千代とともに生きる決意をするまでを描く。 作中世界は1909年であり、東京高等商業紛争、『それから』の連載に先立つ『煤煙』の連載、日糖事件などの作品外の事象への言及がある。 1985年に森田芳光監督、松田優作主演で映画化されている。 == あらすじ == 代助の父は実業家で、時代の波にのり、成功していた。次男の代助は学生時代から裕福な生活を送り、卒業後も一戸を構えるが就職せず、実家にもらいに行く金で、社会とは距離を置く、自由気ままな生活を続ける。 対照的に、親友である平岡は卒業後、銀行に就職し、京阪の支店に勤務し、一年後に代助と平岡との共通の友人である菅沼の妹である三千代と(三千代を愛する代助が斡旋して)結婚する。生まれた子はまもなく死亡し、三千代も心臓を悪くする。三年後、平岡は、部下の公金500円ほどの使い込みの累が支店長に及ぶのを避けるために辞職させられ、放蕩し、東京に戻ってきて、代助と再会し、就職斡旋を依頼する。 代助は、生活に困窮する三千代夫妻のために金を工面してやろうと兄である誠吾に借金を申込み、しかし断られ、自分が「金に不自由しないようでいて、大いに不自由している男」(第四章)であることに気づく。 平岡は新聞社に就職する。代助は、三千代に会う機会を重ねて、自分が三千代を愛していることにあらためて気づく。(改正前民法の規定によれば、男が満30年に達しない間は、婚姻は家に在る父母の同意を得なければ成立しない。) 代助は、三千代に「ぼくの存在にはあなたが必要だ。どうしても必要だ。ぼくはそれをあなたに承知してもらいたいのです。承知してください」と愛を告白し、佐川の娘との縁談を父に断る。 卒倒した三千代は病床で、あやまらなければならないことがあるので、代助のもとに行ってくれと、平岡に言う。 代助は、平岡に三千代を譲ってくれるように言う。 平岡は、三千代・代助の関係その他を代助の父に手紙で知らせる。 代助は、父からは、もう生涯会わない、どこへ行って、何をしようと当人の勝手だ、その代り、以来子としても取り扱わない、親とも思ってくれるなと告げられ、兄からももう会わないと言われ、職業をさがして来ると言って、町に飛び出す。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「それから」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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