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のび太の宇宙開拓史 : ウィキペディア日本語版
ドラえもん のび太の宇宙開拓史[どらえもん のびたのうちゅうかいたくし]


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ドラえもん のび太の宇宙開拓史』(どらえもん のびたのうちゅうかいたくし)は、藤子・F・不二雄によって執筆され、月刊コロコロコミック1980年9月号から1981年2月号に掲載された「大長編ドラえもんシリーズ」の作品。および、この作品を元に1981年3月14日に公開されたドラえもん映画作品。大長編、映画ともに第2作。
同時上映は、『怪物くん 怪物ランドへの招待』。
この作品から絵柄が変更された(この作画は1985年度『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』まで)。
また、2009年に本作のリメイク作品である、『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』が公開された。
== 解説 ==
超空間での事故で偶然に生じた入口から開拓星・コーヤコーヤ星へ行けるようになったドラえもんとのび太達の活躍を、この星で知り合った少年・ロップル達との友情を絡めて描いた長編作品。月刊コロコロコミック1980年9月号から1981年2月号までの6ヶ月間に分けて連載された。前作である『ドラえもん のび太の恐竜』が1980年1月号から3月号までの3ヶ月と短期だったのから大幅に引き伸ばされた。また、この年から大長編ドラえもんの連載が夏に始まり翌年春に終わる形式となる。そのため大長編作品の出だしは夏休みが多いが映画公開は春先のため、『のび太の大魔境』などのように劇中の季節が映画では春休みに変更される作品も出るようになった。
この作品のヒントとなったのは、映画の『シェーン』(ジョージ・スティーブンス監督、1953年)と『ブリガドーン』(ヴィンセント・ミネリ監督、1954年)であると作者が語っており〔『キネマ旬報』1990年3月下旬号。〕、加えて「西部劇をモチーフとして、のび太の特技である銃の腕前を思い切り振るわせること」「弱い人間ばかりの世界なら、のび太でもスーパーマンになれる」という考えが作品コンセプトとなっている。このほか、クライマックスにおけるのび太と本作の敵役・ギラーミンとの早撃ち対決の描写から、師である手塚治虫が藤子Fを連れて見に行った西部劇映画『ベラクルス』のそれを意識しているのではないかという指摘もある〔。また、1979年のSF短編『ベソとコタツと宇宙船』で宇宙船のハッチとコタツが繋がるという描写があり、畳と宇宙船のハッチが繋がるというアイディアの原点が見受けられる。なおOP後にロップルの宇宙船がガルタイト鉱業の宇宙船に追いかけられる場面から本編が始まるという展開は、『スター・ウォーズ』のオマージュが見受けられる。
本作は、のび太の特技である射撃あやとりが物語において重要な役割を果たしており、「大長編においては格好良いのび太」の図式を、ストレートな形で確立した最初の作品である。なお、大長編の中ではジャイアン・スネ夫・しずかの登場シーンが少ない作品である。
本作は野村道子内海賢二の夫婦同士の共演作でもある。その後の映画では『のび太と銀河超特急』、『のび太のねじ巻き都市冒険記』、『のび太の宇宙漂流記』でも夫婦同士で共演している。
作中ではSF作品では頻出の超光速航行(ワープ航法)について説明をするシーンがある。この作品では離れた2点間での移動を空間を曲げてその2点をくっつけることで一瞬の移動を可能にするという空間歪曲型のワープ方式を採用しており、その原理を1枚の紙に書いた2点を紙を曲げることで接触させるという方法(映画版では宇宙船のベルトを使いのび太の部屋とロップルの宇宙船が偶然空間がねじれてくっついたというふうに表現)で視覚的に分かりやすく説明している。
映画では原作では丁寧に描かれたドラマの多くが割愛されている〔主なシーンとして「いつ消えるとも知れぬ超空間の出入り口(地球との繋がり)にロップルとクレムが不安を見せる」「コーヤコーヤでロップル達の歓迎を受けたのび太が、思わず感激の涙を流す」「のび太とドラえもん、ロップル・クレム・チャミーが「いつまでも友達でいよう」と誓い合う」「コーヤコーヤが爆発間近という危機的状況において、姿を見せないのび太達にカモランが不満を爆発させるが、ロップルはのび太達を庇い、助けを求めにいくことも拒む」など。〕。また、のび太とドラえもんがロップルの農作業を手伝うといったシーンが、映画では画面を4分割したダイジェストという形で描かれている(この中には原作にない映画オリジナルのシーンも含まれる)。
一方で原作では1コマで描かれているのび太達とロップル達との別れのシーンが映画では大幅にアレンジされ、主題歌「心をゆらして」が流れる中、手を振るコーヤコーヤ星の住民一同の映像、その後のび太達とロップル達との思い出を振り返る映像が流れ、最後に超空間の繋がりが外れる直前、クレムがのび太にあやとりを披露するという感動的なシーンとなっている。この別れのシーンについては宝島社のムックでも言及されている〔『別冊宝島293 このアニメがすごい!』(宝島社 1997年、ISBN 4796692932)。〕。
原作のラストでは「超空間の出入り口が開く事は二度となかった」といった台詞を始めとして、もう会うことはできないという悲壮感を際立たせた別れが演出されている。しかし、映画版では上記の台詞もなく、原作と比べて楽観的な演出が施されている。ただし、上記の台詞は映画上映前の雑誌連載版には、映画版と同様に存在しない。また、映画版では超空間の繋がりが消えた後、のび太の両親に怪しまれて畳を開けると多数のネズミが飛び出し野比一家を慌てさせるギャグオチになっている。
1994年に刊行の雑誌「ドラえもんクラブ」の3号に本作以前のロップルたちの物語を描いた外伝小説『コーヤコーヤ星物語』が掲載され〔、2009年にはリメイク版の『ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史』が公開されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Doraemon: The Records of Nobita, Spaceblazer 」があります。



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