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『胎児の干物』(たいじのひもの、''Embryons desséchés'')は、エリック・サティが発表した3曲からなるピアノ曲。『ひからびた胎児』としても知られ、作品に奇抜なタイトルを冠することの好きだったサティらしい、ユーモア溢れるものとなっている。楽譜の随所に様々な指示があり、パロディ精神に満ちている。 なお、各曲の標題からも推測されるように、ここでのEmbryonsとは、海生生物の卵や幼生の意味と考えられ、「胎児」という訳は適切ではない。かつて「はららごの干物」という訳が与えられたこともある。 *第1曲、「ナマコの胎児」(d'Holothurie)。 *冒頭に「わたしはサンマロ湾でナマコを観察した…」という序文。「歯の痛いナイチンゲールのように」という有名な指示がある。 *第2曲、「甲殻類の胎児」(d'Edriophthalma)。 *重苦しく開始され、中間部にはショパンの葬送行進曲のパロディが聴かれるが、作曲者本人は「シューベルトの有名なマズルカから」の引用であると譜面上にコメントしている(シューベルトの曲にマズルカはない)。 *第3曲、「柄眼類の胎児」(de Podophthalma)。 *中間部で狩りの角笛が響く。最後は完全終止の和音が18回繰り返されたあげく、「作曲者による強制的な終止形」(というコメント)で終わる。 1970年に作曲家・指揮者のフリードリヒ・ツェルハが「ひからびた胎児」を室内オーケストラ用に編曲し、自身の楽団「Die Reihe」を指揮して録音した。 category:サティのピアノ独奏曲 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「胎児の干物」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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