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『わが青春のアルカディア』(わがせいしゅんのアルカディア)は、1982年7月28日に東映パラス系で公開された松本零士原作のアニメ映画、ならびに『戦場まんがシリーズ』の一編。本項では主に前者について詳述し、後者についても触れる。 ==概要・その他== *松本零士にプロの漫画家になる決心をさせたヨーロッパ映画『わが青春のマリアンヌ』(原作小説『痛ましきアルカディア』)と類似のタイトルを持つ。 *ファントム・F・ハーロックI世の声を演じた石原裕次郎の約5分で1,000万円以上という高額な出演料でアニメ誌などで記事として取り上げられたが、肝心の配給収入は6億5000万円で前年に上映された配収11億円以上の『さよなら銀河鉄道999』や他の松本劇場アニメと比べても今ひとつだった〔『キネマ旬報』1983年2月下旬号]より〕〔アニメ!アニメ!ビズ 特殊映像ラボラトリー第9回「クールアニメ・マーケティング・ヒストリー」「宇宙戦艦ヤマト」 〕。また続編がテレビシリーズ『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』として製作されたが、こちらも視聴率は振るわず、全22話で打ち切りとなっている。そのため、次の劇場公開作品として企画されていた「QUEENエメラルダス」は制作中止になり、事実上松本アニメブームは終焉を迎えた。 *『わが青春のアルカディア』のタイトルを用いた作品は、1976年に松本により『戦場まんがシリーズ』の一編として描かれており、単行本と納められている短編のタイトル名としても使われている。原題は『不滅のアルカディア』で、単行本収録に伴い改題された。 *『戦場まんがシリーズ』では、ファントム・F・ハーロックII世を主人公にしている。ハーロック家の先祖は文字通りの海賊だったが、ハーロックII世はナチス・ドイツ空軍のエースパイロットだった。そこで、照準器開発のため渡独していた日本人技術者の台場元と出会う。その後、フランスのレジスタンスにより両目を潰され失明。戦後は西ドイツで晩年を過ごした。映画では、台場が大山トチローの祖先・大山敏郎に変更されている。 *本作に登場するハーロックの先祖のエピソードはこの短編と、同じく『戦場まんがシリーズ』の「スタンレーの魔女」がベースとなっている。またハーロックがスタンレーに挑んだ先祖にならい、突破しようとする宇宙の難所・二重太陽ベスベラスや恋人のマーヤ、トカーガ人の戦士ゾルとその妹ミラの宇宙葬を行う惑星トリケラトプスなど本作で舞台となる場所は『クイーン・エメラルダス』で登場している。 *イルミダスに敗れて地球に帰還したハーロックがトチローと出会うあたりの描写は、1980年に小説ジュニアに3回にわたって連載された松本零士自身による小説「ハルダートシリーズ(1)陽炎軌道・(2)赤いデスシャドー・(3)掲げよわが旗を」をベースにしている。「ハルダートシリーズ」は後に単行本「零次元宇宙年代記」収録時に一部キャラクター名を変更し「ガンフロンティアII」と改題された。 *本作の予告編2本に登場するアルカディア号の映像には、アニメ映画『銀河鉄道999』からのものが一部使用されている。 *予告編の映像ではハーロックの右目はゾルに銃で撃ち抜かれていたり、Y字架にかけられたエメラルダスの戦闘服が切り裂かれるシーンがあるが、いずれも本編では使用されていない。本編では前者はイルミダス兵の銃撃を受けて右目を負傷する、後者はY字架に架けられた段階ですでに戦闘服が切り裂かれた状態になっているものに変更されている。 *東急エージェンシー創立20周年記念作品として製作された。 *DVDは2004年4月21日、Blu-ray版は2013年8月9日に発売された。BD版は本編の光学録音音源をベースに一部MEテープを足して作成した擬似5.1ch音声と、短編映画「アルカディア号の謎」も収録されている。 なお本作は劇場版銀河鉄道999同様、スタンダードサイズで制作されたが、DVD、BD版は上下トリミングされて16:9での収録。無限軌道SSX本編に本映画からの流用シーンがあり、ノートリミングサイズの映像はそこで確認可能である。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「わが青春のアルカディア」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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