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わたしが・棄てた・女 : ウィキペディア日本語版
わたしが・棄てた・女[わたしが すてた おんな]

わたしが・棄てた・女』(わたしが・すてた・おんな)は、遠藤周作の長編小説。1963年発表。
ハンセン病と診断された森田ミツの一生を描き、その一途な愛と悲劇を浮かび上がらせる。遠藤の通俗的な作品の中で代表的なもの。
== あらすじ ==
大学生の吉岡努は、拾った芸能雑誌の文通欄に名前のあった森田ミツと知り合い、2度目のデートの際、裏通りの安旅館に連れ込み、強引に体を奪った。しかし、やや小太りで田舎臭いミツに魅力を感じるどころか嫌悪感すら覚えた吉岡は、以後一切彼女に会うことをしなくなった。吉岡を一途に愛し続けるミツであったが、彼女の手首には赤いあざがあった。
大学を卒業した吉岡は、勤め先の社長の姪である三浦マリ子と親しくなり、かつてマリ子がミツと共に同じ石鹸工場で働いたことがあることを知る。さらに当時開業したばかりのトルコ風呂へ行き、トルコ嬢から、ミツがここでも働いていたと知る。ミツが気になる吉岡は、ある日ミツと再会するが、彼女はハンセン病の疑いがあり、精密検査のために御殿場の病院に行かなければならないことを涙ながらに訴えた。そんなミツに対し吉岡は、おざなりな慰めの言葉をかけ、逃げるようにその場を立ち去った。
はじめは病院に強烈な抵抗を抱いていたミツだが、次第に解け込むようになる。だがその矢先にミツは誤診であり、ハンセン病ではないことがわかる。それまでにない喜びを感じ東京へと戻ろうとするミツだったが、急に孤独感を深め、患者としてではなく今度は奉仕の日々を送る修道女たちを手伝うために、病院へと戻ってしまう。マリ子と結婚した吉岡は、ミツのことが気になり年賀状を送るが、ひとりの修道女から返事が届き、ミツが交通事故で死亡したことを知る。その長い手紙には、命の灯が消える間際、ミツの遺した言葉が記されていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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