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わたしを離さないで : ウィキペディア日本語版
わたしを離さないで[わたしをはなさないで]

わたしを離さないで』(わたしをはなさないで、原題:''Never Let Me Go'')は、2005年発表のカズオ・イシグロによる長編小説である。同年のブッカー賞最終候補作。
日本では、2006年4月に土屋政雄翻訳早川書房から単行本が刊行され、2008年8月にハヤカワ文庫版が発刊された。
2010年マーク・ロマネク監督、キャリー・マリガンアンドリュー・ガーフィールドキーラ・ナイトレイ主演により映画化された。2014年には蜷川幸雄演出、多部未華子主演により舞台化された。2016年1月からTBSテレビテレビドラマ化されている〔。
== あらすじ ==

1990年代末のイギリス。「介護人」キャシーは、ヘールシャムと呼ばれる施設で育てられた「提供者」達の世話をしている。そもそも、キャシーも生まれながらにしてヘールシャムで育った提供者である。施設を出て、大人となったキャシーは、閉鎖的なヘールシャムでの子供時代を回想していく。
ヘールシャムでの教育は、至って奇妙なものであった。「保護官」と呼ばれる教員達により「展覧会」に出展するための絵画や詩などを作る創作活動や、毎週の健康診断などが実施されていた。キャシーが12・3歳の頃、彼女にはトミーという親友がいた。彼は周囲の能力の差についていけずに教室内で度々癇癪を起こす生徒だった。しかし、ある日を境にトミーは騒ぎを起こさなくなり、それがキャシーにとっては疑問であった。ある日キャシーは、トミーに騒ぎを起こさなくなった理由について問いただす。彼は「保護官」の一人であるルーシーの影響だと語る。トミー曰く、ルーシーには絵を描きたくなければ描かなくてよい、と言われたという。またルーシーはヘールシャムの方針に不満を抱いていることがトミーの口から明かされる。この話を聞いた頃からキャシーは、ルーシーの事を注視するようになった。
キャシーが15歳になったとき、ヘールシャムでの最後の1年の出来事であった。ある雨の日、ルーシーは生徒の「映画俳優になりたい」という一言を耳にし、突如生徒を集めヘールシャムの真実を語る。「提供者」達は臓器提供のために造られ、摘出手術が終われば死ぬだけのクローンで、ヘールシャムを出るとすぐに臓器提供が始まるから将来の夢など無意味だという真実を。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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