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アオイドス(もしくは)は古代ギリシアの歌手、吟遊詩人を指す言葉である。現代のにおいては、『イーリアス』と『オデュッセイア』を作り上げたとされる熟練した叙事詩の人を指す学術用語としても使われている〔ゆえに、の英訳者たちは「アオイドスの詩」を初期のギリシア叙事口承詩を指す学術用語として用いている。〕。 == 『イーリアス』と『オデュッセイア』における歌と詩 == 古典ギリシア語で「歌い手」を意味する「アオイドス」は、「歌う」を意味する動詞「アエイデイン」(ὰείδειν)もしくは「アデイン」(ᾄδειν)から派生したである。『イーリアス』と『オデュッセイア』の中で、この語は詩に関連してさまざまな形で複数回出現している〔に、初期ギリシア文学での関連するパッセージに関する議論を伴うリストがある。『イーリアス』第2歌594-600(タミュリスの物語)と『オデュッセイア』第9歌2-11にも歌い手への言及がある(実演はない)。〕。 * 『イーリアス』 第18歌490-496(アキレウスの盾):笛、リラ、踊りを伴う祝婚歌。 * 『オデュッセイア』 第23歌133-135:歌い手ペーミオスのリードによる踊りを伴う祝婚歌。結婚式があった訳ではないが、オデュッセウスは求婚者たちを殺戮している間、これが祝祭であると外部に思わせようとした。 * 『イーリアス』 第18歌567-572(アキレウスの盾):葡萄の収穫に合わせて子供が歌いリラを演奏する。歌は『』。 * 『イーリアス』 第18歌593-606(アキレウスの盾):若い男女が歌と踊り「モルペー」に参加する。 * 『オデュッセイア』 第8歌250-385:若い男女が歌と踊り「モルペー」に加わる。デーモドコスが歌い、リラを奏でる。歌はアレースとアプロディーテーの情事に関するもの。 * 『イーリアス』 第22歌391-393:アキレウスの若い戦士たちが、ヘクトールの遺骸を船まで引きずりながら、(自己)賞賛の歌「パイエオン」を歌う。 * 『イーリアス』 第24歌720-761:トロイアでは、ヘクトールの遺骸を前に歌い手たちが哀歌を先導し女たちが嘆き悲しむ。個別に哀歌を歌う3人の女はアンドロマケー、ヘカベー、ヘレネー。 * 『イーリアス』 第19歌301-338:ギリシア方の野営では、パトロクロスの遺骸を前に、まずアキレウス、それからブリーセーイスが、それから女たちが歌い、もう一度アキレウスが歌い、最後に老人たちが歌う。 * 『オデュッセイア』 第24歌58-62:ギリシア方の野営では(アガメムノーンの幽霊が語るところによると)、海のニュンペーたちがアキレウスの遺骸を前に哀歌(ラメント)を歌い、ムーサたちが返歌し、全ギリシア人が続いた。 * 『イーリアス』 第9歌186-191:アキレウスがリラを弾きながら「気を紛らわし、英雄たちの功績を歌う」。聴き手はパトロクロスただ一人である。 * 『オデュッセイア』 第1歌150-340:ペーミオスが、夕食の後に、求婚者たちのためにトロイアからの帰還の物語歌を歌う。 * 『オデュッセイア』 第8歌73-75:とその客たちのために、デーモドコスが夕食後にオデュッセウスとアキレウスの争いの物語歌を歌う。 * 『オデュッセイア』 第8歌536-538:同じく、アルキノオスとその客たちのためにデーモドコスが夕食後にトロイアの木馬の物語歌を歌う。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アオイドス」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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