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アガラスバンク(英語:Agulhas Bank、ポルトガル語:Banco das Agulhas)は、アフリカ大陸南端部の南に位置する海域にある堆(大陸棚のうちの、広く平らで浅い部分)である。南アフリカ共和国最南端に所在するアガラス岬から南に250kmまで広がる、インド洋と大西洋の境界線上にある海底地形。 == 概要 == アガラスバンクは、インド洋の暖流であるアガラス海流(アギュラス海流)が大西洋側に向かって、寒流であるベンゲラ海流とぶつかる〔 〕ことにより、乱流が生じて攪拌される海域に位置しており、このことは海洋生物に豊富な栄養を供給することに繋がっていて、大きなバイオマス(生物量)を誇る世界的にも有名な海域、世界有数の規模を誇る海洋生態系〔日本語版・魚類監修:渡邊好朗(東京大学)。原題 "Earth Touch Special: Gannets - The Wrong Side Of The Run"。〕、そして、一大漁場を現出させている。 ただし、大西洋側では、現代の組織的漁撈による乱獲(特にトロール網漁によるイワシ[ミナミアフリカマイワシ〔 学名:、英語名:South American pilchard。サーディンの一種。〕とミナミアフリカカタクチイワシ〔 学名:、英語名:Southern African Anchovy。アンチョビの一種。〕]の乱獲)等が、この海域の生態系に多大な影響を及ぼすと共にバイオマスを減衰させている〔 :モモイロペリカンの群れがケープシロカツオドリの繁殖コロニー内で雛を捕食する動画あり。撮影は BBC テレビシリーズ "Life" の撮影班。〕〔。バイオマスの減衰は従来の食物網を攪乱し、生態系へのさらなる影響を生み出している。かつては共にイワシの群れを追っていたものが、捕食者と被食者に分かれてしまい(例えば、餌が獲れなくなったミナミアフリカオットセイ〔学名:、英語名:Brown fur seal。〕はケープシロカツオドリの成鳥まで襲うことをし始め、それは過去には観察されなかった生態であるという。南アフリカ海洋沿岸管理局〔Coastal Management Office in South Africa〕の調査によれば、2010年現在、マルガス島[後述]周辺では命を落とすカツオドリの雛の80%がオットセイに捕食されているという。同じくモモイロペリカンもカツオドリ雛を襲うようになっている〔)、世界的な観察拠点ともなっている多くの鳥類繁殖地が荒廃している(2010年時点)〔。インド洋側ではこのような環境問題はまだ確認されていないが、大西洋で操業してきたイワシ漁業者はインド洋側の資源利用を開拓中である(2010年時点)〔。 海流がぶつかり合うアガラスバンク周辺は航海者にとって厄介な水域となっており、とりわけ、大航海時代を含む帆船の時代には多くの船が難破している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アガラスバンク」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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