|
アクセスモデルとは、音楽を所有する権利ではなく、音楽へアクセスする権利を消費者に売るビジネスモデル。SpotifyやApple Music、LINE MUSICなど定額制音楽配信、YouTubeなど動画共有、Pandora Radioなどパーソナライズドラジオ、MTVやスペースシャワーTV、ゆうせんなど有料音楽チャンネルが該当する。アクセス権ビジネス、アクセスライツ・モデルとも称される。 世界のレコード産業売上は2014年に物理売上(CD、DVD等)にデジタル売上が並んだが、デジタル売上の内訳はアクセスモデルの割合が32%を占めている。これは5年前の11%と比べると3倍の急成長であり、IFPI(国際レコード産業連盟)は近い将来、レコード産業の主な売上はアクセスモデルが占めるようになると予測している〔IFPI RIN2015〕。 == 歴史 == エジソンのレコード発明以来、人びとはスタジオで制作された音源の複製物(レコード・カセットアルバム・CD・DVDなど)を所有する権利(複製権=コピーライツ)に対価を支払ってきた。しかしPCとインターネットの普及で、音楽ファイルの複製は誰もが容易にできるようになり、複製物を売るというレコード産業のビジネスモデルは技術的根拠を失った。 かわりに登場したビジネスモデルが、このアクセスモデルである。クラウド上の音楽ファイルにスマートフォンなどでアクセスし、3G以上のモバイル通信回線を通してストリーミングで再生する環境ができたことで、アクセスモデルはレコード産業の収益モデルとして機能するようになった。フリーミアムモデルの定額制配信Spotifyおよび広告ベースのYouTubeの世界的な流行がこれを牽引。2014年にGoogle、2015年にAppleといった巨大企業が定額制配信に参入したことで普及が加速している。 なお米レコード協会は1982年に誕生したMTVもアクセスモデルに分類した。有料チャンネルのMTVは作詞作曲の著作権料の他に、音源の楽曲使用料を各レコード会社に支払っており、視聴者はMTVの月額視聴料を通じて、衛星またはケーブル越しにある音楽ビデオへアクセスする権利へ対価を支払っている。なおアメリカのラジオ業界は作詞作曲への対価を支払っているが音源の使用料(Performing Rights Fee)は支払っていない。 日本で1975年に始まった貸レコード(レンタルCD)のビジネスも、1984年の著作権法改正と日本レコードレンタル商業組合(現日本コンパクトディスク・ビデオレンタル商業組合)の成立以降は、アクセスモデルに分類しうる。音楽へアクセスする権利をレンタル料として週額や日額で消費者に売り、その収益をレコード会社や音楽事務所など原盤権の所有者へ分配しているためである。ただし、パソコンの普及以降、レンタルしたCDを複製またはリッピングすれば音源を事実上所有できるようになったので、現状はアクセスモデルと言いがたい側面もある。 これはYouTubeなどの動画共有にも言えることで、若年層を中心に、YouTubeの音楽ビデオをリッピングしてスマートフォンにダウンロード保存する習慣が普及しつつあり〔http://www.riaj.or.jp/report/mediauser/pdf/softuser2013.pdf〕、この場合YouTubeは広告ベースの所有モデルに分類される。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アクセスモデル」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|