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アタカマ宇宙論望遠鏡(アタカマうちゅうろんぼうえんきょう、英:''Atacama Cosmology Telescope'' 、ACT)は、チリ北部、アタカマ砂漠のセロ・トコ山(5604m)の山頂近くに建設された6m電波望遠鏡である。宇宙マイクロ波背景放射 (cosmic microwave background radiation ; CMB)を研究するため、マイクロ波サーベイにおいて、高い分解能が得られるようにデザインされている。現在のところ、恒久的な地上設置望遠鏡としては最も高い、5190mの高度に設置されている 〔直径80cmの装置である Receiver Lab Telescope (RLT) は、より高い5525mに設置されているが、これは移動可能な船舶用コンテナの屋根に固定されているので、恒久的なものではない。 参照:Observations in the 1.3 and 1.5 THz Atmospheric Windows with the Receiver Lab Telescope .〕。 2007年の秋(南半球の)に建設され、2007年10月22日に、科学受信機である、Millimeter Bolometer Array Camera (MBAC)でファーストライトを観測し、2007年12月に最初のシーズンを完了した。第2シーズンは2008年6月から始まっている。 このプロジェクトは、以下の研究機関の共同事業である。プリンストン大学、ペンシルベニア大学、ゴダード宇宙飛行センター (NASA/GSFC)、ブリティッシュコロンビア大学、アメリカ国立標準技術研究所、Pontifical Catholic University of Chile、University of KwaZulu-Natal、カーディフ大学、ラトガース大学、ピッツバーグ大学、コロンビア大学、ハバフォード大学、INAOE (Mexico)、 ローレンス・リバモア国立研究所、ジェット推進研究所、トロント大学、ケープタウン大学、マサチューセッツ大学、ニューヨーク市立大学。また、アメリカ国立科学財団から資金供給を受けている。 == 設計と設置場所 == ACTは、6mの主鏡と2mの副鏡を持つ、オフ・アクシズ (off-axis ; 望遠鏡の光学的対称軸が装置の中心軸と一致しない) グレゴリー式望遠鏡である。どちらのミラーも分割式であり、主鏡は71枚、副鏡は11枚のアルミニウム製パネルから構成される。 観測中に、回転する星野を追尾する他の望遠鏡と異なり、典型的には5°幅の星野のストリップ(細長い領域)を、 アジマス方向(水平方向)に、毎秒2°という相対的に速い速度で、行きつ戻りつしながら観測する。望遠鏡の回転部分は約32トンの重さがあり、技術的には相当の困難を引き起こした。望遠鏡の周囲に配置されたグランド・スクリーンが、地表から放射されるマイクロ波による受信信号の汚染を最小限に抑えるようになっている。望遠鏡の設計、製造および建設は、カナダブリティッシュコロンビア州バンクーバーにあるDynamic Structures により行なわれた。 観測は、3つの周波数145GHz、215GHzおよび280GHzで行なわれ、分解能は約1分角(アークミニット=1/60°)である。各周波数は、それぞれ3cmx3cmの1024素子アレー検出器で測定されるので、検出器の総数は3072個である。 検出器は、新技術の超伝導転移端センサー(TES)であり、その高感度はCMBの温度を数万分の1Kの誤差で測定することを可能にする 。この検出器は、低温ヘリウム冷却システムによって絶対温度1/3Kに保たれている。 現在予定されているサーベイでは、ACTは約200平方度の星野の地図作成を行なうことになっている 。 大気中の水蒸気がCMBの測定を汚染するマイクロ波を放射するので、アタカマ砂漠のアンデス山脈中のチャナントール(Chajnantor)平原という、乾燥した高高度の(しかも、アクセスも比較的容易な)置局は、望遠鏡にとって利益がある。Cosmic Background Imager (CBI)、ASTE望遠鏡、なんてん、Atacama Pathfinder Experiment (APEX)および アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計 (ALMA)を含む、他のいくつかの天文台もこの地域に置かれている。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「アタカマ宇宙論望遠鏡」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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