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アッパー・カナダ : ウィキペディア日本語版
アッパー・カナダ

アッパー・カナダ()は、現在のカナダオンタリオ州にあったイギリス植民地である。公式には1791年から1842年まで存在し、領域は大まかに現在の南オンタリオに一致した。アッパーという名前は緯度ではなく、川の上流と言う意味(海抜と言う言い方も出来る)から来ており、ローワー・カナダからはセントローレンス川の上流(upper)に位置した。
今日の南オンタリオの地域が最初にヨーロッパの支配下に入ったのは、ヌーベルフランスの一部としてだった。1763年パリ条約フランスからイギリスへ割譲され、1774年のケベック法でに組み込まれた。アッパー・カナダは1790年にイギリスの議会を通過した (''Constitutional Act'')によって1791年12月26日に一つの政体となった。この法はケベック植民地をアッパー・カナダとローワー・カナダにわけて、それぞれの統治のやり方を定めたものだった。この区分によって、アッパー・カナダに住む王党派アメリカ開拓者とイギリスからの移民はイギリスの法律と機構に組み込まれ、フランス語話者の多いローワー・カナダはフランスの市民法とカトリックの信仰を続けることができた。
植民地の統治は、副総督と行政委員会および立法議会によって行われた。初代副総督はジョン・グレイブス・シムコーであった。1796年2月1日、アッパー・カナダの首都はニューアーク(今日のナイアガラオンザレイク)からヨーク(今日のトロント)に移された。これはアメリカ合衆国からの攻撃に耐えやすいと判断したためであった。
アッパー・カナダの地方政府は「地区」が基本であった。1788年に4つの地区が置かれた。
*ルーネンバーグ地区(1792年にイースタン地区に改称)
*メクレンバーグ地区(後にミッドランド地区に改称)
*ナッソー地区(後にホーム地区に改称)
*ヘッセ地区(後にウェスタン地区に改称)
人口が増えるに連れて既存の地区の中から新しい地区が生まれた。1849年からは郡制が布かれたのでこちらが主流になった。この時、20の地区が存在したが、新しくケント地区を設立する立法は成立せずに終わる。1841年まで地区の役人は、たいていその地元の出身者であったが、副総督が任命した。地区の管理状況を監視し訴訟を扱うために、各地区には年4回、四季裁判所が設けられた。
== 米英戦争 (1812年-1815年) ==
米英戦争の間、アッパー・カナダは防御が弱く、アメリカから移住者が多く居たためにアメリカの主要な目標になった。しかしアメリカ合衆国内の分裂、ピリッとしないアメリカの民兵、能力の落ちるアメリカ軍の指揮官、それにイギリス軍指揮官アイザック・ブロックの素早く思い切りの良い行動によって、アッパー・カナダを北アメリカイギリスの一部として守り続けた。
イギリス軍は1812年8月6日デトロイトを占領した。ミシガン準州はイギリス軍の支配下におかれ、1813年にイギリス軍が放棄するまで続いた。
アッパー・カナダ領内で戦われた戦闘は次のようなものがあった。
*クィーンストン・ハイツの戦い1812年10月13日
*ヨークの焼き討ち、1813年4月27日
*ジョージ砦、1813年5月27日
*ストーニー・クリークの戦い1813年6月5日
*ビーバー・ダムズの戦い1813年
*エリー湖の湖上戦1813年9月10日
*テムズの戦い1813年10月5日
*クライスラー農園の戦い1813年11月11日
*ニューアーク焼き討ち、1813年12月10日
*チッパワの戦い1814年6月5日
*ランディーズ・レーンの戦い1814年7月25日
アメリカ領内のアッパー・カナダ境界である北西部領土(ほとんどは今日のミシガン州)、ニューヨーク州北部および五大湖でも、多くの戦いが行われた。
1815年に批准されたガン条約で戦争が終わり、両国とも元の状態に戻すことで合意された。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アッパー・カナダ」の詳細全文を読む



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